「オリンピック出場でも英検1級取得でもない」地方の高校生が東大に推薦合格できた意外な戦略

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私自身、現在はCORUNUMというNPO法人で理事をしているのですが、こうした団体には年齢や学校の壁を越えて、意欲的な人が集まっています。学校という狭い枠を飛び出して、そういった「熱量の高い場」に少しだけ身を置いてみる。それだけでも、推薦入試の軸となるような思わぬチャンスや出会いが転がり込んでくるものです。ロールモデルとなりうる存在の話を聞くことにも非常に価値があります。

都会の環境を羨んでばかりいる

私自身、地域活性化のプロジェクトに参画していることもあり、地方の学生と話す機会が多いのですが、話していると「地元を離れたい」「東京に行きたい」といった学生がかなりの数いることに気がつきます。

しかし面白いことに、都心の若者たちと話していると逆の現象が起きています。最近は「地方に行きたい」「地方には手触り感のある課題があって羨ましい」という人が本当に増えています。まさに、お互いが「隣の芝は青い」状態ですよね。

都会の学生が推薦入試のネタを探すために喉から手が出るほど欲しがっている「リアルな社会課題(探究のタネ)」は、地方にはゴロゴロ転がっています。

過疎化、高齢化、地場産業の衰退、空き家問題。都市部の受験生がこれらを「自分の原体験」として語ろうとすると、わざわざ地方へフィールドワークに行くか、本やニュースからの間接的な知識に頼るしかありません。でも地方なら、「普通に地元で生きて、近所のおじいちゃんと話す」だけで、誰にも真似できない圧倒的な探究のストーリーが生まれます。都会を羨んでいる必要なんてないんです。

さらに、入試のシステム自体も地方にとって強力な追い風になります。 たとえば東大の学校推薦型選抜には、「1校から推薦できる生徒は最大4名」という厳しい制限があります。つまり、どれだけ優秀な生徒がひしめき合っている都市部の超進学校であっても、学校としては4名しか推薦できません。校内選考の時点で、激戦になることもあるでしょう。

逆に言えば、地方の学校でちょっと手を挙げて行動し、「校内でトップクラスの存在感」さえ示せれば、都市部の何百人もの激戦を潜り抜けた生徒たちと、あっさり同じスタートライン(推薦枠)に立てるんです。これは、地方ならではの凄まじいメリットだと思いませんか?

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私が東大推薦合格に必要だったのは、オリンピックの金メダルでも、英検1級でもありませんでした。地元を歩いて、地域の人と話して、自分が感じた課題に真剣に向き合うこと──それが、地方出身の私の最大の武器でした。

そうした意味で言えば、地方にいる人は、既に「推薦入試の準備」ができているともいえるかもしれません。

この記事を通して、難関大学の推薦を目指すうえで、地方であることは決してハンデでなく、むしろ、最大の武器になりうるということをわかってもらえれば幸いです。

下村 英理 東京大学経済学部学生

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しもむら えいり / Eiri Shimomura

奈良県出身。2005年生まれ。数学オリンピックや英語資格などの大きな実績がないなか、「散歩」をテーマとした地域活性化活動によって、学校推薦型選抜で東京大学に現役合格。

日本一周を過去3回実施した経験から、旅を通した地域活性化を実現すべく、2025年に株式会社タロー浦島を設立。地方のNPO法人と連携した商品開発や旅行アプリの開発、情報発信などを行っている。また、特定非営利活動法人CORUNUMの理事も務める。

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