「オリンピック出場でも英検1級取得でもない」地方の高校生が東大に推薦合格できた意外な戦略
もちろん、東京大学が「地方出身者を優遇している」わけではありません。選考基準はどの出身者にも公平に適用されます。ただ、地方に住んでいることそのものが、推薦入試で求められるような『実績』や『ストーリー』が自然と生まれやすい環境でもあります。しかし多くの学生がその事実に気がついていないことも、また事実です。
今回は、「地元を散歩していました」というストーリーで東大推薦入試を突破した立場から、地方出身者が『無自覚にチャンスを逃し、損をしている』3つの理由を紹介します。
東京大学の学校推薦型選抜2025年度の合格者87人のうち、関東以外の出身者は57.4%(50人)と過半数を超えています(東京大学新聞・大学通信調べ)。
一般入試では関東出身者が約60%を占めるのとは対照的です。推薦入試の場では、地方出身者の存在感が際立っています。関東圏の人口が全人口の3割強程度なので、依然として偏りはありますが、それでも「東大推薦は関東圏以外の人にも有利」という側面は強いと考えられます。
自分の街の「当たり前」をスルーしている
みなさんは自分の地元のことをどれくらい知っているでしょうか。いろんな名所や歴史などに詳しい人は一定数いるでしょう。しかし、それだけでは地域を知ったということにはなりません。
たとえば、地方の高校生たちに「隣の家に住んでいる人と話したことがあるひと」を問うと「そんなのあるに決まっているじゃないか」という人が多い。一方で、都心のこどもたちに同じ質問をすると、「話したことがない」という人が多数派になるのです。このような事実も地元に住んでいることの強みといえます。東京に住んでいる教授たちに「私はいつも近所の人と話してるんです」といえば、「貴重なフィールドワークの実践をしている」ということになるわけですね。
陶磁器の製造が盛んなまちの学生たちに「みんなのまちのアピールポイントを教えてよ」と聞けば、「何もない」というそうです。「陶磁器がアピールポイントではないのか」と聞けば、「こんなものの何が珍しいのか」と答えるんですよ。この街の学生にとっては陶磁器が日常的に使うなんの変哲もない食器であって、珍しいものだとは思ってないんです。ここに、「地元の価値の見過ごし」があります。



















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