KDDI「2461億円架空取引」7年見逃した理由、子会社管理の空白とキャッシュ軽視が重なった構造的欠陥
26年3月期の通期業績予想も修正した。売上高は期初予想から2700億円減の6兆600億円、営業利益は880億円減の1兆900億円とした。
この修正には架空取引とは別の要因も含まれる。KDDIは携帯電話の契約獲得にかかる販売手数料について、将来の通信料収入で回収できる見込みがあれば資産として計上してきた。
しかし、すぐに解約する契約者の分は回収が見込めないため、来期からは資産計上の対象外とする方針に変更し、過去に計上した分についても500億円の減損を第4四半期に計上する。松田社長によると、この方針変更自体は以前から検討していたもので、架空取引に伴う業績修正と合わせて開示した。
7年間見逃した構造的な問題
松田社長は問題の背景について「中期経営戦略上の成長領域ではなかったために、十分な関与ができていなかった」と述べた。しかし報告書を読み解くと、関心の薄さだけでは説明できない構造的な問題が浮かび上がる。
第一に、子会社管理の体制があまりに手薄だった。ビッグローブの出資先管理を担うKDDIのパーソナル事業管理本部では、実質1名でビッグローブを管理していた。ジー・プランの内部監査担当も1名だ。広告代理事業では稟議・発注・検収をA氏とB氏の2人が兼ね、KDDIの購買コンプライアンスガイドラインが義務づける権限分離が守られていなかった。
ビッグローブ側はKDDIのチェックシートに「権限分離はできている」と虚偽の回答をしていた。さらに、ビッグローブの与信管理基準ではKDDI連結子会社への与信審査が任意とされていたため、ジー・プランの先にいる上流代理店の信用状況は誰も確認していなかった。



















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