「17時半退社では間に合わない」共働きの母親が語る《小1の壁》年100万円の民間学童かキャリア断念か…残酷な選択肢並ぶ理不尽

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「少しでも残業があると間に合わない日が出てきてしまって……。結局、時短勤務に切り替えました」

本来はこれまでの働き方を継続し、昇進も視野に入れていたが、現実的には難しかったと話す。Aさんのケースは決して特別な例ではない。小1の壁問題は父親よりも母親側に表れやすい傾向にあるが、それには日本の就労構造も関係している。

共働き世帯であっても、日本では家事・育児の多くを女性が担う風潮が強い。男性側の長時間労働は未だ蔓延化しており、結果として“迎えに行ける側”の母親が働き方を調整せざるを得ない状況が生まれやすい。

この放課後の数時間の制約は、単なる時間の問題ではなく、家庭内の役割分担とも結びつきながら、母親のキャリアに影響を及ぼしている。

フルタイムで働くことを諦める母親たち

小学校生活が始まると、かつての“ラン活”が遠い昔のように感じられる(写真:筆者撮影)
小学校生活が始まると、かつての“ラン活”が遠い昔のように感じられる(写真:筆者撮影)

筆者自身も昨年第1子が小学校に入学したが、実際に子どもが進学するまでは「学童に入れさえすれば、仕事との両立は可能だろう」と安易に考えていた。フリーランスという比較的柔軟な働き方をしていることもあり、問題を深刻に捉えていなかった面もある。

しかし、子ども同士が同学年の会社員ママたちに話を聞く中で、その認識は変わっていった。

「今までは延長保育に頼れていたけど、4月からは絶対に残業できない……」

「祖父母も夫も頼れないし、もういっそのこと仕事辞めた方がいいのかな」

入学式が近づくにつれて、ママ友からそんな話を聞く機会が増えていったのだ。実際に筆者の知る限りでは、子どもの入学を機に時短勤務への切り替えや、転職に踏み切った母親たちが少なくとも3人はいる。

なぜママ友たちが働き方を変えなければならなかったのか。その理由は至ってシンプルで、“親の終業時間”と“学童の閉所時間”が噛み合わないのだ。

厚生労働省の資料によると、公立学童の閉所時間は18時前後が中心で、延長を含めても19時までの施設が多数を占める。一方で、フルタイムで働く場合、通勤時間を含めると帰宅時刻が19時を超えるケースは珍しくない。

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