あの「完全メシ」でも3年3カ月かかったのに…!HIKAKINが手掛ける「みそきん」が5000万食突破、一体どれぐらい凄いのか

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25年10月25日には初の新味「辛みそきん 濃厚辛味噌」を展開しているが、いずれも数量限定のスポット商品で、シリーズの累計アイテム数はたったの3つ。累計5000万食を達成するまでに費やした期間は、完全メシの衝撃を塗り替える約2年10カ月の短さだった。

しかも、全国のあらゆる小売店に並ぶ通年ブランドに対し、みそきんはセブン-イレブン1社のみに限定されたチャネルでの数字なのだから、その異常な回転率は推して知るべしだろう。

みそきん セブンイレブンの陳列状況
「みそきん」某所のセブンイレブンでの陳列状況(写真:筆者撮影)

最近でこそ多くのユーザーが手に取れる状況に落ち着いたが、数量限定の制約と相次ぐ転売目的による即完売状態に生産が追い付かず、再販されてもすぐに品薄となる状況が当たり前になっていた時期も記憶に新しい。

これは余談だが、中学来の旧友から「(今回の再販で)やっと……やっと『みそきん』買えたよー!!」とLINEで連絡があり、みそきんを手に満足そうな笑みを浮かべるご子息の写真が添付されていた。

そのご子息は今年の春から小学2年生、即席カップめんのヘビーユーザー層とされる年代には達しておらず、日常的にカップ麺を食べることもないそうだ。それなのに「みそきん」に強い興味を持ち続けていた理由については、1960万人の登録者数を誇るメインチャンネル『HikakinTV』の視聴者層に小中学生が多いことで説明がつくだろう。実際、当初の販売開始から今日に至るまで、純粋に「みそきん」を求めている層の多くがHIKAKIN氏のファンであることは想像に難くない。

しかし、みそきんの人気は一過性に留まらなかった。

HIKAKINのことはよく知らないけど、そんなに話題なら食べてみたい。心理学でいうところのバンドワゴン効果(ある選択肢を支持する人が多ければ多いほど、その選択肢が魅力的に見え、さらに支持者が増える現象)や、カリギュラ効果(他者からある行為を禁止されると、かえって関心や欲求が高まり、その状況に対するフラストレーションが増幅する現象)、さらにスカーシティ効果(入手困難なものほど欲しくなる心理現象)、SNSでの共感・信頼感の共有など、これでもかと欲求を刺激する条件が揃い、普段はカップラーメンにすら興味もないユーザーの心まで掴んだ。

カップ麺研究家から見た「みそきん」の実力は?

では、ひとつのカップラーメンとしての実力はどうなのか。SNSには好意的な感想だけでなく「値段相応の味じゃない」「HIKAKINが有名だから売れてるだけ」などのネガティブな意見も飛び交っている。

みそきん スープ
「みそきん」のスープ。深みのある白湯系の豚骨をベースに、白味噌の魅力を立て、なおかつニンニクも分かりやすく利かせている(写真:筆者撮影)

カップ麺研究家の目線から語らせてもらうと、特筆すべきはスープの作り込みだ。深みのある白湯(ぱいたん)系の豚骨をベースに、これでもかと白味噌の魅力を立て、なおかつニンニクも分かりやすく利かせているが、すりごまの芳ばしいコク、オイルに含まれる野菜を炒めたような調理感、さらに香辛料の絶妙な掛け合いで一辺倒な印象を与えない。

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