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「機械が止まれば会社が死ぬ」"こんなんで働きたくない"と思ったモロッコヨーグル社長が「75歳まで現役」を覚悟するまで

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「子どもが成人するまであと20年、自分が75歳になるまでは現役で働き続けないといけません。だから、がんばらないと」

そう語る池田さんの顔は、とても嬉しそうだった。

「娘が成人する20歳、自分が75歳まではがんばらないと」と微笑む(写真:筆者撮影)

祖父の教えを貫き、モロッコヨーグルを作り続ける

取材を通して池田さんの言葉の節々には、「祖父と両親が繋いできた会社を守りたい」という意思が垣間見えた。

「祖父の代から『よそさんに迷惑かけなさんな』と言われてきて、その理由で無借金経営の鉄則があるんです。それでここまでやってこれました。祖父の教えをなるべく貫きながらやっていきたいんです」

小さなモロッコヨーグルを作る過程は、意外にも重労働だ。25キロもの砂糖の袋を持ち上げたり、高い位置にあるタンクによじ登って材料を投入したりする必要がある。そのたびに、「1人でも男性従業員が来てくれたら」と思うそうで、今後、右腕となる人材の育成を考えているという。

それもまた、この仕事を次の世代へ繋ぐための、池田さんなりの覚悟の表れなのかもしれない。

モロッコヨーグルは、1個の利益がわずか約1円という極限のビジネスだ。それでも、効率化の波に抗い、気温に左右される古い機械の機嫌をとりながら、今日も池田さんはモロッコヨーグルを作り続けている。

「自分がやらなあかんのやろうな」と諦めていた少年は、今や「75歳まで現役で」と笑顔で語る父親になっていた。

工場の1階にある池田さんの執務スペース。きれいに整えられていた(写真:編集部撮影)

 

前編:国内でわずか2社に減少も、消えそうで消えない「モロッコヨーグル」。"薄利多売”でも3代・65年間生き残れた理由

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