昨年末に原因不明のトラブルに見舞われた際は、製造が不可能になるほどの状態に。会社の存続について考えるほどのプレッシャーに苛まれた。
「このままでは注文を受けている問屋や顧客に迷惑をかける」という焦りの中、動かない機械とひたすら格闘したと池田さん。
「肉体労働は寝たら疲れが取れるけれど、こういう頭脳労働は苦手だからめちゃくちゃ疲れます。先が見えないからこそしんどいんです」
なぜ、AI搭載の最新機に買い替えないのか?
「最新の機械は内部の構造や仕組みが外から見えず、ブラックボックス化しています。それに、もし画面が一つでも壊れれば部品の取り寄せに数週間かかり、その間ラインが完全にストップしてしまうという致命的なリスクがあるんです。現在のアナログ機械であれば、不具合の箇所さえわかれば、自力で部品を交換し30分から1時間で復旧させられます」
リスク管理の観点から、あえて「手がかかる旧式」を選び続けているのだ。
53歳で結婚、「75歳まで現役」を決意
サンヨー製菓の命運を一手に担う池田さん。今、彼の原動力となっているのは、新しい家族の存在だ。
「55歳ですけど、結婚したばかりで……。昨年、子どもが生まれたんです」と照れたように笑いながら言った言葉に、筆者と隣にいた編集者はのけぞり、「どういうことですか?」とほぼ同時に聞き返した。
2020年冬、池田さんは人材不足からハローワークに求人を出したそうだ。そこで面接にやってきた20代の女性から、猛アプローチをうけたという。
最初は「何か裏があるのでは?」と戸惑ったものの、「私じゃ、だめですか?」と言う彼女の熱意に押され、50代半ばにして結婚を果たしたのだ。そして昨年、待望の第1子が誕生した。





















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