「机上には、書きかけの原稿」朝ドラ「ばけばけ」セツに看取られ54歳のハーンは"遠い旅"へ
このときも、セツがハーンにどんな夢を見たのかと聞くと、ハーンはこう答えている。
「たいそう遠い、遠い旅をしました。今ここにこうして煙草をふかしています。旅をしたのが本当ですか、夢の世の中。西洋でもない、日本でもない、珍らしいところでした」
晩御飯を済ませて1時間後…死因は狭心症
その日の晩御飯を済ませて1時間後、セツのそばにきたハーンは「ママさん、先日の病気また参りました」というと静かに横たわった。
そして口元に微笑を浮かべて、54歳で生涯を閉じている。死因は狭心症である。セツはこう振り返っている。
「天命ならば致し方もありませんが、少しく長く看病をしたりして、いよいよ駄目とあきらめのつくまで、いてほしかったと思います。余りあっけのない死に方だと今に思われます」
ハーンの葬儀はお気に入りの瘤寺で執り行われて、雑司が谷墓地に葬られた。書斎の机上には、書きかけの原稿が残されていたという。
【参考文献】
E・スティーヴンスン著(遠田勝訳)『評伝ラフカディオ・ハーン』(恒文社)
牧野陽子著『ラフカディオ・ハーン-異文化体験の果てに』(中公新書)
小泉八雲著、池田雅之編『小泉八雲コレクション さまよえる魂のうた』(ちくま文庫)
小泉節子著、小泉八雲記念館監修『思ひ出の記』(ハーベスト出版)
小泉凡著『セツと八雲』(朝日新書)
NHK出版編『ドラマ人物伝 小泉八雲とセツ:「怪談」が結んだ運命のふたり』(NHK出版)
工藤美代子著『小泉八雲 漂泊の作家ラフカディオ・ハーンの生涯』(毎日新聞出版)
櫻庭由紀子著『ラフカディオハーンが愛した妻 小泉セツの生涯』(内外出版社)
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