「机上には、書きかけの原稿」朝ドラ「ばけばけ」セツに看取られ54歳のハーンは"遠い旅"へ
ハーンはセツから語られた話をもとにして、現代の物語として書き直していく。そんなハーンによる「再話」によって一冊にまとめられたのが、ハーンの代表作『怪談』である。
有名な「耳なし芳一」「雪女」「のっぺらぼう(むじな)」などは、ハーンの再話によって、広く日本人に知られるようになった怪談である。
いずれも原典の逸話に、ハーンが心理描写と詩的な表現を織り交ぜながら、読者を魅了する短編小説へと仕上げている。
また、セツの語りをもとにしているから、ハーンの英文もおのずと簡潔で、美しいリズムを奏でることになった。
『怪談』はセツという語り手がいたからこそ、生まれた作品であり、夫婦で作り上げた傑作と言えるだろう。
東京帝国大学をクビに…後任は夏目漱石
明治36(1903)年、ハーンは東京帝国大学との契約を打ち切られてしまう。英文学の教師を日本の先生にしたい、という意向があったようだ。すでに日本国籍を取っていたハーンからしてみれば、屈辱的だったに違いない。
後任はロンドン留学から戻ってきた夏目漱石だったが、学生たちからはハーンを留任すべしという運動が起こる。驚いた学長が方針を変えて「時間と棒給を半減するかたちで契約更新したい」と申し出るも、ハーンはそれを固辞している。
明治37(1904)年の春からは早稲田大学で英文学講義を受け持つが、週に4時間程度だったため、ほぼ書斎での書き物に専念している。





















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