プロが解説!映画『国宝』"女形メイク"の凄さ アカデミー賞ヘアメイク部門受賞は逃すも…世界が認めた"美しさ"の正体

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
⑤おちょぼ口

元の唇を白塗りで消し、幅を狭く縦にふっくらと描かれたおちょぼ口もまたベビースキーマの一種です。最近のトレンドとして、上唇にオーバーリップなラインを描きますが、これも縦幅を強調してふっくら見せる手法であり、ベビースキーマに寄せるメイク法と言えます。

まとめると、顔の印象は以下の要素で分かりやすく変化します。

・まぶた:広い=女性的、狭い=男性的
・眉:細い曲線=女性的、太い直線=男性的
・目尻:下げる=女性的、上げる=男性的
・重心:低い=女性的、高い=男性的
・唇:幅が狭い=女性的、広い=男性的

これらの特徴をわずか数mm取り入れるだけでも、視覚的な印象は大きく変わります。そしてこれは歌舞伎に限った話ではなく、日常においても有効です。

男性の場合でも、取り入れやすく一番効果的なのは「眉の形」です。眉頭と眉尻を同一線上に揃えるだけでも整った印象になりますし、眉尻を少し上げればリーダーシップのある印象に、下げれば優しい印象に変化します。

私たちはそれぞれの立場や役割に応じて「どう見られるべきか」という社会的な役割を演じています。相手から見た時の顔の印象を適切に作ることで、より相応しい人物として認識されることが可能になるのです。

眉デザイン実例
男性眉のビフォーアフター。眉毛を整えたことで、中年男性の顔の印象が大きく変わりました(写真:筆者提供)

『国宝』がヘアメイク部門で評価された理由

今回、『国宝』がヘアメイク部門にて世界で評価されたのは、日本の伝統芸能を通して、国境や人種を超えて共通して認識される「顔の印象変容」を、高度な技術として表現した点にあるのではないでしょうか。

顔の印象は舞台や映画の中だけでなく、日常においても信頼や評価に直結します。どのように見られるかを理解し整えることで、人生の選択肢や機会は大きく変わります。

外見は単なる装飾ではなく、社会における役割を伝達する機能でもあります。自分がどのように見られているかを理解し、それを適切に整えることは、現代において合理的な戦略です。

池田 曜央子 顔の印象設計専門家

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

いけだ ようこ / Youko Ikeda

骨格バランス研究所主宰(https://kokkaku-balance-lab.com/)。顔の印象を「骨格とパーツ配置のバランス」から分析し、社会的評価につながる外見へと整える印象設計の専門家。男女延べ3000人以上の外見改善を指導。青山学院大学経済学部卒業後、実務経験を経て二級建築士を取得。住宅増改築の設計士として大手企業に勤務。外見差別を受けた経験を契機に、設計理論を応用し、顔の輪郭やパーツを数値化して補正する独自の「骨格補正メイク」を体系化。個人向けコンサルティングのほか、企業研修や公的機関でのセミナーにて「第一印象と評価の関係性」を伝えている。また、43歳で17kgの減量を成功させ、体のバランスや姿勢の重要性も含めた指導を開始。外見は「社会的役割を伝達するツール」であるという視点から、ビジネス・プライベートにおける印象戦略を提唱している。著書に「骨格補正メイク」(主婦の友社)。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事