プロが解説!映画『国宝』"女形メイク"の凄さ アカデミー賞ヘアメイク部門受賞は逃すも…世界が認めた"美しさ"の正体

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男性が女性を演じる女形は、仕草や所作ももちろん見え方に影響を与えますが、顔そのものが女性らしく見えるように理論的に設計されています。吉沢亮さんや横浜流星さんといった、元々端正な顔立ちの俳優であっても、女形を演じる際には顔のバランスを“女顔”へ補正するメイクが施されています。

パーツの配置は、たった数mmの違いでまったくの別人に見えるほど印象に影響を与えます。メイクでその配置を描き変えることにより、性別すら変えて見せることが可能なのです。

では、どのような配置が女性的な印象となるのか、女形メイクを具体的に解説してまいります。

女形メイクの「5つの特徴」

①まぶたが広い

最も象徴的な特徴は「まぶたの広さ」です。映画の中の化粧シーンでも見られるように、自眉を消して高い位置に描き直すことで、目と眉の距離を広げています。これにより、骨格の凹凸が減って見え(つまり、のっぺり見える)女性的な特徴が強調されます。

この手法は海外のドラァグクイーンのメイクにも共通しており、男性が女性らしく見えるための基本のテクニックです。自眉を消す手法は「眉つぶし」と呼ばれ、コンシーラーと白塗りを重ねることで元の眉を消し、自由に眉位置を変えることが可能になります。

②眉が細くアーチ状

女形では、細く曲線的な眉が特徴です。小ぶりな笹の葉のような曲線は女性的な柔らかさを強調し、一方で男性的な印象を強める場合は、眉を太く直線的にする事で、凛々しさや力強さを演出しています。

③目尻を下げる

女形では、やや目尻を下げたタレ目風なデザインが用いられます。赤いアイシャドウが特徴的な女形ですが、こうすることで優しく女性的な印象を与えます。対照的に、男性的な強さを表現する「隈取(くまどり)」では、目尻を大きく引き上げる大胆なデザインになっており、力強さや威圧感を強調します。

④下まぶたを拡張

女形では、下まぶたを強調することで顔全体の重心を下げ、同時に目の縦幅を広げています。これは心理学で「ベビースキーマ」と言われる顔の特徴で、この比率へ近づける事で「可愛い」「守りたい」という心理を呼び起こします。例えば、ハローキティやリラックマ、ちいかわ等、人気キャラクターにもこの要素が取り入れられています。

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