大学で一人暮らし、親が気になる「ちゃんと食べてる?」—食生活を支える"学食"のありがたい仕組み

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九州に暮らす高橋家(仮名)の息子は、島根大学に進学、入学と同時に大学の寮に入った。同大学の学生寮は食事がついておらず、自炊が基本だ。

しかし、複数人でキッチンをシェアするには使い勝手が悪く、「結局、自炊はほとんどしていません。親の方で購入していたミールカードで、1日2食は学食で食べているようです」と母親。

食べ盛りの男子学生とあって、学食とはいえ2食で1日1500円ほどになることもある。それでも、自炊で作るとおかずを1品作るかどうか程度の食事になってしまうため、栄養バランスを考えた学食はありがたいという。

「学食は家の食事より豪華じゃない?なんて思いました」と母親は笑う。

島根大学では以前、「100円ごはん」という制度もあった。物価高で経済的に困る学生を支援するため、大学が基金を活用して補助し、学生が100円で食事をとれるようにした取り組みだった。

だが、この制度は2025年度は実施されなかった。高橋さんの息子の場合、大学には日本学生支援機構の奨学金を借りて進学している。家計にゆとりがあるわけではないので、この制度がなくなったことは多少痛手だという。

しかし、「学食を食べるために学校には必ず行くので、サボリ防止にもなるし、ミールカードの明細を見ればちゃんと食べているのかがわかるので、生存確認ができてホッとします」と母親。

離れて暮らす子どもが、食事を食べているかどうかがわかることは、ある意味、LINEの既読よりも安心するのかもしれない。

学生の食をサポートする制度

こうした制度は他大学にも広がっている。横浜市の神奈川大学に通う市川家(仮名)の息子(大学3年生)も、朝食が100円で提供される「100円朝食」が助かると話す。2025年度は数量限定ながら半額の50円で食べられることもあった。

「大学から徒歩すぐのところに住んでいるので、授業のない日も学食だけ食べに行っています。朝7時半に電話したら『今、学食並んでる~』って。やっぱり食事が心配だったので、この制度は本当に助かります!」と母親。

一人暮らしはただでさえ何かとお金がかかるが、食事はきちんと食べてほしいと思っていたため、こうした支援はとてもありがたいという。

物価高が続く中でも、それぞれの家庭は学食や支援制度を上手に活用し、一人暮らしの食事を工夫して乗り切っている。学食は学生の食生活を支えるだけではなく、親の安心にもつながる存在になっている。

宮本 さおり フリーランス記者

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みやもと さおり / Saori Miyamoto

地方紙記者を経てフリーランス記者に。2児の母として「教育」や「女性の働き方」をテーマに取材・執筆活動を行っている。2019年、親子のための中等教育研究所を設立。

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