92歳中等度認知症でも自宅暮らしを続けられる"理由" 「認知症悪化=施設行き」の誤解 「認知症リハビリ」という選択肢
さらにケイ子さんらしさを発揮してもらおうと春日さんが着目したのは、彼女が料理好きだったこと。膝の慢性疾患があり、認知症も進んだので料理はさすがに厳しいが、スタッフを隣につけながら昼食後の食器洗いや、干した洗濯物を畳む作業を手伝ってもらっている。ケイ子さんも他人の役に立つことにやりがいを感じているらしい。
「何でも周りにしてもらうだけでなく、自分も他人の役に立てれば誰だってうれしいじゃないですか。感謝もされますしね。その人らしさを発揮してもらう方法は様々で、入浴後に趣味のお化粧を思う存分してもらったり、以前農家さんだった女性には、野菜をテーマにスタッフがあれこれ質問をして教えてもらったりもしています」(春日さん)
自宅療養を続ける人たちにとって大きな支えになること
一方、ケイ子さんの娘である睦子さんにとっても、「かんたき」を利用する4つの利点があるという。
「デイサービスやショートステイなどを組み合わせることで、働きながら親御さんを自宅で介護できます。一連のサービスを賢く利用することで、ご家族も一定の休息と自分の時間も持てます。また、小規模施設ですから利用者やスタッフと顔見知りになれて、仮に認知症が進行しても、ケイ子さんは面識のある人たちがいる場所に定期的に通い、自宅での暮らしも続けられます。また、ご希望に応じてここではお看取りも行います」(春日さん)
利用者や家族にとって自宅療養を続けるのに、作業療法士や「かんたき」の存在がいかに重要なのかがよくわかる。ちなみに要介護度4(最高は5)のケイ子さんの場合、週2回のデイサービスと週1回の訪問リハビリ、月2回の訪問看護と、月2回の2泊3日のショートステイ利用の合計金額は月額約7.3万円。
実は、娘の睦子さんにも二つの持病があり、そのせいで自身が入院した際も、「世田谷中町」がケイ子さんを2週間ほど預かってくれたという。そんな融通がきくことも自宅療養を続ける人たちにとって大きな支えになる。





















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