実は16歳でもなれる"船長" 辺野古転覆事故で露呈した「安全管理体制」なきマリンレジャーの死角
まず、事故の報道に接していてもっとも違和感を覚えたのが、「船長」という言葉だ。同志社国際高校の校長の記者会見でも、波浪注意報が出るなかでなぜ乗船を決定したのかという疑念に対し、「波浪警報が出ていれば中止だったが、波浪注意報であったので“船長の判断”によって出航した」と発言している。
同志社国際高校はキリスト系の学校であり、同地で牧師を務めている金井氏は基地移転反対運動に参画、抗議等のための小型船の船長をしていた。そのつながりで、基地移転先の船上からの見学を修学旅行中のひとつのプログラムとして計画されたと報じられている。
実は、プレジャーボートの場合、船長とは法的・公的な資格ではない。職業や肩書のように語るのは不適切だ。自動車の運転者と同じで、運転(操縦)のための免許制度はあるが、「船長免許」というものは存在しない。
船長とは、その時にハンドルを握っている人
仮に友人らと同乗して自動車旅行に出かけたとしよう。全員、「普通自動車免許」所有者だとすれば、だれが運転者なのか。それはそのときにハンドルを握っている人のことだ。ハンドルを握っている人を運転者と呼び、法令遵守、安全確保義務等が生じる。
船も同じで、小型船には「小型船舶操縦士免許」が必要となり、航行可能区域により1級と2級がある。仮に免許所有者4名が乗船しているとすれば、だれが船長かはそのときにハンドルを握っている人というだけだ。
船長という言葉から海上運送の専門家で天候判断や操舵、救助技術に熟知している人という印象を持つが、制度的には同免許を持っているというだけなのだ。
私がこの2級免許を取ったときに驚いたのは16歳以上という年齢要件だった。普通自動車免許は18歳からだが、原付・大型以外の二輪免許は16歳で、それと同じなのだ。天候に大きく左右される海上で乗船者の命を預かるのがハンドルを握る船長の役割だが、それを16歳で務められるのか疑問を感じたことを覚えている。





















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