【日米首脳会談】高市首相が演じた「大人のやり取り」の合格ポイントと代償 影の"勝者"は傍観を決め込んだ中国か?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

もちろん、イランによる事実上のホルムズ海峡閉鎖が長期化すれば、湾岸諸国からの石油輸入量が減り、中国経済にとっても痛手にはなる。だが、EV(電気自動車)の普及によって、中国国内のガソリンや軽油消費量が減っているという現状もある。

何より、アメリカの攻撃ぶりを見て、アメリカ軍の最新兵器や戦術を把握できるほか、アメリカ軍の主力がインド太平洋から中東に軸足を移してくれれば、台湾統一への準備もしやすくなる。

つまり、イランの価値を冷静に分析しつつ、アメリカ軍の力量なども「値踏み」しているのだ。その結果、弾き出した答えが、裏でイランを支援することで、ほかの湾岸諸国との関係を悪化させたり、アメリカと事を構えたりすることは避けようという、現在の立ち位置なのだ。

先送りの米中会談、冷静にトランプを待つ中国

その中国では、3月31日から開かれる予定だった米中首脳会談が1カ月ほど先送りされることになった。

筆者は、これもまた、中国を利することになるのではないかとみている。

会談が予定どおり行われていれば、習主席はトランプ大統領に「ホルムズ海峡の安全確保のために速やかに軍艦を派遣してくれ」と頼まれるのは確実。他国とともに安全航行を守る「有志連合」入りさえ強要されかねない。

これをひとまず回避できたことに加え、イラン攻撃が長期化すれば、トランプ大統領は強気で押せなくなり、中国に有利な形で会談が行われる可能性が高まる。これは習主席にとって望ましいことだ。

国際社会が注目した日米首脳会談でも、中国や台湾に関する話は「日米で緊密に連携することを確認」する程度で終わった。

イラン戦争が勃発して約3週間。今のところ、今回のアメリカによるイラン攻撃による一番の勝者は中国という気がしてならない。

清水 克彦 政治・教育ジャーナリスト/びわこ成蹊スポーツ大学教授

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

しみず かつひこ / Katsuhiko Shimizu

愛媛県生まれ。京都大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。文化放送入社後、政治・外信記者、ベルリン特派員、米国留学を経て、キャスター、報道ワイド番組チーフプロデューサー、大妻女子大学非常勤講師などを歴任。現在、TBSラジオ「BRAND-NEW MORNING」コメンテーターも務める。専門分野は現代政治と国際関係論。著書は『日本有事』、『台湾有事』、『安倍政権の罠』、『知って得する、すごい法則77』ほか多数。
公式ブログ:http://k-shimizu.com/

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事