【日米首脳会談】高市首相が演じた「大人のやり取り」の合格ポイントと代償 影の"勝者"は傍観を決め込んだ中国か?
まず、「傍観型外交」である。アメリカ軍によるイラン攻撃が始まって以降、筆者は王毅外相が発する言葉に注目してきた。
王外相は習主席の信任が厚く、中国では「王の口は習の口、王の耳は習の耳」などと言われ、その言葉は、習主席の本音を代弁したものと見られているからである。
その発言の変化に着目してみよう。
「アメリカとイスラエルがイランを攻撃したことは容認できない。主権国家の指導者の殺害や政府転覆の扇動も容認できない。これらの行為は国際法と国際関係の基本的規範に違反する」(3月1日、ロシアのラブロフ外相との電話会談)
「本来起きるべきではない戦争だ」「ただちに軍事行動を停止し、戦火の拡大を避けるべきだ」(3月8日、北京市内での記者会見)
アメリカへの批判を途中からやめた
当初はアメリカを名指しで批判しながら、1週間後には直接的なアメリカ批判を避け、上記の発言以外にも、「26年は、中米関係が健全で安定した持続可能な発展へ向かう象徴的な年にできると信じている」とまで述べている。しかも、この3週間、イランを陰で支える動きはまったくない。
これは、26年1月、アメリカ軍がベネズエラのマドゥロ大統領を拘束した時と同じだ。中国にとって南米の大事なパートナーに関わる事件でも、「傍観型外交」を貫いた。これは、中国お得意の「自国にとって得にならないことはスルーする」という実利外交とも言える。
その典型が「値踏み」だ。
意外に思われるかもしれないが、中国のエネルギー事情は、発電のほとんどが石炭火力によるもので、石油火力の占める割合は20%以下にすぎない。
それでも石油の輸入先のうち、ロシアに次いで多いのがサウジアラビアやイラクといった湾岸諸国なのだが、イラン産石油のシェアはほとんどない。
これは、イラン産の石油が、マレーシア沖でインドネシア産に偽装されて運び込まれているためで、そのカラクリを理解しているイラン側は、これまでのところ、やがて中国に入ることになる石油タンカーを攻撃してはいない。





















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