【日米首脳会談】高市首相が演じた「大人のやり取り」の合格ポイントと代償 影の"勝者"は傍観を決め込んだ中国か?
今回、それがなく、トランプ大統領が、焦点のイランをめぐる協力要請について、「日本はNATO(北大西洋条約機構)とは違う」「日本は責任を果たそうとしていると思う」といった婉曲な「圧」にとどめたことは、高市首相にとって“ドロー”以上の成果になったように思う。
トランプ大統領は、11月の中間選挙で共和党が敗北すれば、レームダック化することも予想されるが、大統領としての任期は残り2年10カ月ある。高市首相は、衆議院選挙で圧勝したことで、よほどのことがない限り、トランプ大統領の任期中は首相にとどまる可能性が高い。
両首脳ともに、この先もドナルド−サナエ関係が続くことも踏まえ、それぞれの国益と立場を考えた「大人のやりとり」を行ったと考えていいのではないだろうか。
この先も残る「トランプ」という不確実性
会談では、中長期的なエネルギーや鉱物の確保などもテーマに上り、3つの共同文書がまとまった。主だったものは以下のとおりだ。
・対米投融資の第2弾として730億ドル(約11兆5000億円)規模のプロジェクト実施
・アメリカ産の原油増産に投資し、増えた分を日本が調達
・レアアースなど重要鉱物の共同開発など供給網の強化
これらは、高市首相のトランプ大統領に対する過度な手土産だ。仮にアラスカ産原油を調達できたとしても、日本で必要とされる量の1割程度で、対米投資の恩恵もほとんどアメリカ側が得ることになる。
また、3月末、トランプ大統領が中国を訪問し、習近平国家主席と会談する前に、日本の立場を説明し、2国間で取り引きしないよう念を押そうとしていた思惑も、イラン問題で完全に脇役に追いやられた。
トランプ大統領が高圧的な態度をとらず、穏やかに会談が進んだことや、イランを敵に回さない立ち回りができたことは及第点といえる。ただ今後、イラン戦争が長期化し、アメリカが国際的に孤立すれば、トランプ大統領がどのような要求を突きつけてくるかわからないという不確実性は残ったままだ。





















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