医師が警鐘「LDLの"高め"放置」実は一番危険だった――血管の老化を防ぐ「置き換え食」とリスクがわかる注目の「検査」とは

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Lp(a)

Lp(a)は、主に遺伝で決まり、動脈硬化や大動脈弁狭窄症の独立したリスク因子となっています。

アメリカのガイドラインはすでに、LDLがグレーゾーンでもLp(a)が高ければ、薬を使う方向性を示しています。ヨーロッパでも、Lp(a)を全成人で少なくとも一度は測定することを推奨しています。

最新の薬物療法の考え方

食事や運動をがんばっても、LDLグレーゾーンから脱出できない人も一定数います。若くして心筋梗塞を起こした家族がいる人、先に挙げたApoBやLp(a)が高い人では、体質、すなわち遺伝的背景の影響が大きいことがあります。

そういうときの薬は、将来の心筋梗塞や脳梗塞を減らすための、科学的に裏付けられた次の一手です。

昔からあるスタチンと呼ばれる薬は、引き続き第一選択薬です。さらに、スタチンの量を増やしてもLDL目標に届かない場合は、有効性が証明された非スタチン薬も有用です。

以前からあるエゼチミブ、注射薬のPCSK9阻害薬、新薬のベンペド酸といった薬を組み合わせていきます。このほかLp(a)に関係する遺伝子治療薬なども臨床試験で有望な結果を出しており、将来的には、治療の選択肢はさらに広がっていく見通しです。

いずれにせよ、大切なのは「LDLが少し高いだけ」と軽く見ないこと。

<食事は「制限」より「入れ替え」を重視し、運動は週150分を土台に、必要ならApoBやLp(a)も確認する。定期的な血液検査で測定しつつ、リスクが残るなら、薬を前向きに使う>

これがグレーゾーンの人にとって最も現実的で、科学的な戦略です。

コレステロールに関する情報は多すぎて、どこから手をつければよいかわからなくなりがちです。ただし、完璧な食事も、毎日の運動も、最初から必要というわけではありません。

まずは「何か1つ」始めてみてはどうでしょうか。

今週の昼食で、肉のおかずを焼き魚か納豆に変えてみる。エレベーターをやめて階段を使う。健診結果を引き出しにしまわず、かかりつけ医に「私のリスクはどのくらいですか」と聞いてみる。

その一歩が動脈硬化の進行を抑える最初のきっかけになります。怖いのは、LDLはグレーゾーンで少し高いだけと甘く見て、何年も何もしないまま放置することなのです。

谷本 哲也 内科医

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たにもと てつや / Tetsuya Tanimoto

1972年、石川県生まれ。鳥取県育ち。1997年、九州大学医学部卒業。医療法人社団鉄医会ナビタスクリニック理事長・社会福祉法人尚徳福祉会理事・NPO法人医療ガバナンス研究所研究員。診療業務のほか、『ニューイングランド・ジャーナル(NEJM)』や『ランセット』、『アメリカ医師会雑誌(JAMA)』などでの発表にも取り組む。

 

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