携帯5社が相互接続する「JAPANローミング」開始、災害時でも通信を確保する新基盤の実力と"発動まで数時間"という最大の弱点

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JAPANローミングには2つの方式がある。

1つ目は「フルローミング方式」だ。音声通話、SMS、データ通信のすべてが使える。通信速度は送受信ともに最大300kbpsに制限されるが、テキストメッセージやLINEのやり取り、低画質の地図表示程度であれば実用になる。限定的なエリアでの災害や障害時に提供される想定だ。

2つ目は「緊急通報のみ方式」で、110番(警察)・119番(消防・救急)・118番(海上保安庁)への発信だけができる。大規模な災害や障害で救済側の携帯会社にも余力が少ない場合に、最低限の命綱として提供される。一般の電話やデータ通信は使えない。

利用方法
フルローミング方式では音声通話、SMS、データ通信のすべてが使える。緊急通報のみ方式では110・119・118番への発信に限られる(写真:NTTドコモ)

どちらの方式で提供されるかは、被害の規模や各社の設備状況をもとに協議して決まる。緊急通報のみ方式を先に出し、後からフルローミングに切り替えるような柔軟な運用については、現時点では明言されていない。

「使える人」と「使えない人」がいる

対応機種は、2026年春以降に発売された端末が基本となる。技術基準にJAPANローミング対応が組み込まれたため、今後の新機種は原則として対応する。キャリア販売の端末に限らず、メーカーが独自に販売するSIMフリー端末も同様だ。それ以前の機種でも、フルローミング方式に限れば対応している端末は多い。各社のホームページで確認できる。

MVNO(格安SIM)の利用者も対象に含まれるが、利用範囲が異なる。音声通話とSMSは使えるが、データ通信に対応するにはMVNO事業者側で専用の設備を導入する必要がある。自分が契約しているMVNO事業者がデータ通信に対応するかどうかは、各事業者に確認する必要がある。

対象
ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルの各サービスブランドが対象で、MVNOの利用者も音声通話とSMSは使える(写真:NTTドコモ)

利用料金は無料だ。通話料やSMS送信料は契約中の料金プランに準じるが、データ通信料はかからない。事前の申し込みも不要である。

フルローミング方式が発動された場合、対応端末では自動的に他社のネットワークに接続される。画面上部のキャリア表示が「JPN-ROAM」に変わっていれば、ローミング中だ。事前の設定は不要だが、Android端末の一部では「データローミング」をオンにしないとデータ通信が使えない場合がある。

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