ニデック永守氏の"次なる舞台"? ダイエー中内氏が創設した流通科学大学の盛衰に見る「企業系大学」の厳しい現実
大学ではないが、阪急電鉄創業者・小林一三氏が13年に宝塚歌劇を興し、そこに卒業生を出演させるために設立した宝塚音楽学校のような例もある。
こうした企業系大学(学校)の多くに共通するのは、実務志向という性格である。幅広い教養を重視するリベラルアーツよりも、即戦力となる人材の育成を優先する教育方針だ。
福澤諭吉と大隈重信が育てようとした逸材
日本の大学史を振り返れば、創立者の教育理念が色濃く刻まれた大学の存在が目を引く。
1858年、福澤諭吉氏が中津藩中屋敷内で蘭学を教授したことに始まる慶応義塾は、学問のあり方として「実学」を重視する。ここでいう「実学」とは、単なる実用的知識ではなく、科学的・実証的に真理を探究し、社会の問題解決に寄与する学問を指すものである。
さらに、教育の目的として掲げられる「慶應義塾の目的」には、「気品の泉源、智徳の模範」として社会全体を導く存在となることが示されている。すなわち、知識や徳だけでなく、気品を備え、それを実践によって社会に示し、先導者となる人物の育成を理想としている。
このほかにも、互いに学び合う「半学半教」、新たな分野を切り開く「自我作古」、共同体として支え合う「社中協力」などの精神が重視されている。これらはいずれも、主体的に学び行動し、社会に貢献する人材の育成という理念を具体化したものである。
以上のように、慶應義塾の建学の精神は、独立自尊と実学を基盤とし、気品と智徳を備えた社会の先導者を育成することにある。
82年、東京専門学校として大隈氏により創立された早稲田大学の建学の精神は、「学問の独立」「学問の活用」「模範国民の造就」の3つに集約される。





















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