近所の豪邸は20億円!ロンドンで見た海外富裕層の「有事に備える」教育移住…情勢が揺れる今、子の選択肢をどう広げる?

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都心の広大な公園で市民の憩いの場である、ケンジントン・ガーデンズやハイドパークのすぐそば。白い石造りのタウンハウスが並ぶ、美しい街並みです。

娘は徒歩10分の私立女子校へ。息子は100kmほど離れたオックスフォード近郊のボーディングスクールで寮生活。娘の学校の送迎時間になると、門の前にはベントレー、ロールスロイス、マイバッハなどの高級車が並びます。運転手付きは当たり前で、セキュリティ付きの送迎もめずらしくありません。

本当に圧倒されたのは、クラスメイトの「ロンドンの家」でした。外観はクラシックな石造りのタウンハウスですが、中に入ると別世界。地下には室内プール、ジム、ワインセラー、シネマルーム。

ガラス張りのエレベーターがあり、5フロア構造。キッチンはシェフ仕様で、バックヤードには住み込みスタッフの部屋。

価格は軽く20億円クラス。場所によってはそれ以上です。しかもそれが「セカンドハウス」という家庭も多い。

最初は単純に思いました。「世界のお金持ちってすごいな」と。ところが保護者同士で親しくなっていくうちに、少し違うことが分かってきました。あの豪邸の多くはイギリス人の家ではありませんでした。

ロシア、中国、中東など、世界中から移ってきた富裕層の家族です。母国の政治や経済の不安定さを背景に、ロンドンに拠点を持つ家庭も少なくありません。

ロシアの富豪が多く住むことから、ロンドンには「Londongrad(ロンドングラード)」という呼び名まで生まれました。ロンドンにロシアの資本が流れ込んでいる状況を象徴する言葉です。

富裕層が「Wealth Flight」(富の移動)を行うワケ

ロンドンの高級不動産は、しばしば「世界の金庫(the world’s safe deposit box)」と呼ばれます。とくにケンジントン、ナイツブリッジ、メイフェアといった地区は、世界中の資本が集まる場所です。

政治が不安定になれば資産を国外へ移す。通貨が不安定になれば不動産に変える。ロンドンの石造りのタウンハウスは、そうした資産の避難先として機能してきました。

20億円の家は見栄ではありません。資産を守るための保険であり、いざという時に家族が戻れる拠点でもあります。

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