ブーニンが語る「なぜショパンコンクールはピアニストにとっても世の中にとっても特別なのか」
そしてこのところ、いわばアジアのコンクールになっていますよね。中国と日本からの参加者がものすごく多くて、もしかしたら別の国の人が勝つかもしれないけど、数年前からなんとなくそんな感じがしますね。皆さん優れた演奏家だけれども、ショパンコンクールは上手な演奏をするピアニストを輩出するコンクールであって、ショパン演奏家を輩出するコンクールでは必ずしもない。
――ブーニンさんにとってもこの40年は激動でした。振り返って、印象深かったエピソードを教えてください。
ブーニン:40年間……、20歳のときから今日まで振り返ってみても、本当にいろいろなことがありすぎて、その中で迷子になってしまいそうです。なるべく迷子にならないようにと思いますけど。
すごく大きな話になりますが、私はこの何十年の間に、人間がどのように変化してきたかに興味があります。たとえば政治体制がどう変わったのか、民主的に人間はどう成長したのか、人類としてどう生き延びていくのかといったことに関心を持っています。
これからは自分自身に回帰していくのかもしれない
たとえば音楽ファンといっても昔の音楽ファンと今の音楽愛好家は変わっていると思うんですね。そういう世代を挟んで求める刺激も異なっているでしょうし、行動も変わっていると思います。デジタル化の影響もきっとあるでしょう。だから今後も人間という存在がどうなっていくのかにすごく興味があります。ぜひまた同じ質問を40年後にしていただきたいなと思います。
――ピアニストの仕事というのは大変ですか?
ブーニン:旅をしてツアーに出て、弾いたことのないホールで演奏するといったことがだんだんとちょっと大変にはなってきました。そろそろ録音とか、自分のためだけに演奏することになるかなと思っています。
自分自身に帰っていくというところに来ているのかな。そして自分自身が研究を続けるという意味でピアノと向き合っていくのかなというふうには思っていますね。その後何が起こるかわかりませんが、少し力づくでやっているようなところがあるので、それは音楽にとって決して良いことではないように感じています。
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