ブーニンが語る「なぜショパンコンクールはピアニストにとっても世の中にとっても特別なのか」

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――ピアニストにとってショパンコンクールは何でしょうか?

まさにさっき言ったことですね。全員のピアニストにも当てはまることです。「そこから始まる」。

言ってみれば、前借りするという感じでしょうか。世界への信用を前借りしていくというか、保証してもらうという。

――ショパンコンクールが世の中にとっても特別なのはなぜでしょうか?

ブーニン:その答えを私は知っていると思います。ショパンの音楽が、社会自体のある発展の段階において生まれたということと関わっていると思うからです。

ショパンの音楽は19〜20世紀にかけてすべてのピアニスト、音楽家にとっての推進力だったんですね。それは彼の独自のピアニズムというものを構築して、それを人々に提供したからです。本人は教育者であったし、作曲家でもあったし、また演奏する人間でもあった。新しいピアニストのレーベルみたいなものがショパンによって誕生したんです。

ですから、ショパンの作品全部を対象にしたショパンの音楽と、ピアニズムこそがショパンコンクールを特別なものたらしめているんだと思います。

ショパンコンクールの変化

――最近の若手ピアニストを見ていて感じることを教えてください。

ブーニン:ショパンコンクールが非常に注目される、世界でも重要なコンクールであることに変わりはないように思います。ですが、ショパンコンクールの顔は少し変わってきているかなと思います。

かつては「ショパン」を演奏する人が勝者だったんですね。けれど、今は演奏家の質はすごく高い。基本的にすごくうまい人たちが集まって、その中から一番うまい人が選ばれるコンクールになっていると思います。

どういうことかというと、前回のコンクールを見ていてもそうなんですけど、すごく才能あふれるピアニストたちが集まっていて、みなさん素敵にショパンを演奏した。素晴らしい人たちだけれども、「ショパン」を演奏する人では必ずしもない。「ショパン演奏家」「ショパン解釈者」とはいえないと思うんですね。

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