産油国はどこまでホルムズ海峡を回避できるか、輸出が長期にわたり混乱すれば世界的なインフレの波を引き起こす恐れ

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水深が浅いことから、イランは機雷を敷設することも可能だ。英国のヒーリー国防相によれば、すでに開始している可能性がある。一方、ヘグセス米国防長官は「明確な証拠はない」としている。

トランプ米大統領は、機雷を設置しないようイランに警告。米国は、イランの機雷敷設船を30隻以上破壊または損傷させたとしている。

だがそもそも、機雷が設置されているかもしれないという脅威だけで、ホルムズ海峡の安全な通航は難しくなるのが現実だ。

「機雷戦の難しさは、存在しないことを証明しなければならない点だ」と退役米海軍士官のベン・シッパリー氏は指摘する。イランによる機雷設置は小型船を使って行われるため、日常的な船舶活動と見分けがつきづらく、米海軍の技術をもってしても発見するのは難しいという。

現代の船舶は、全地球測位システム(GPS)の電波妨害にも脆弱だ。

ジャミングと呼ばれる電波妨害の手法は、世界各地で航行妨害のために使われるケースが増えている。海事インテリジェンス会社ウィンドワードによれば、今回の戦争ではペルシャ湾で1000隻以上の船舶が電波妨害の影響を受けている。

ホルムズ海峡での海軍護衛は現実的か

ホルムズ海峡を通過する船舶向けの保険は依然として利用可能だ。

しかしタンカーへの攻撃が続く中、船主の多くは人命や貨物、船舶の損失リスクを取ることに消極的だ。海峡を通過した船舶は少数にとどまり、一部の国はタンカーの安全航行を巡って交渉を進めている。

トランプ氏は、「必要であれば」米国が船舶を護衛する可能性があると述べている。ただ、護衛がすぐに実現する見通しはない。ライト米エネルギー長官によれば、米海軍による護衛を開始できるのは3月末ごろになる可能性がある。

護衛対象がすべての船舶なのか、米国の利益に関係する船舶に限られるのか、あるいは米国籍・米国所有の船舶のみなのかは、まだ不透明だ。また、イランへの攻撃を継続しながら、船舶護衛を行えるだけの米海軍戦力が中東地域にあるのかという問題もある。

トランプ氏は他国にも、ホルムズ海峡の航行再開に向けた協力を求めているが、各国は戦争拡大に巻き込まれることを警戒しており、反応は鈍い。

日本の高市早苗首相はホルムズ海峡で民間船舶を護衛するため、自衛隊法で規定する海上警備行動に基づき、艦船を派遣することは困難との認識を表明している。

オーストラリアは、ホルムズ海峡への海軍艦艇の派遣について「計画はない」と否定した。韓国は「米国と緊密に意思疎通を続けながら、状況を慎重に見極めた上で決定を下す」としている。

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