産油国はどこまでホルムズ海峡を回避できるか、輸出が長期にわたり混乱すれば世界的なインフレの波を引き起こす恐れ

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ホルムズ海峡は石油市場にとって不可欠な航路であり、世界の海上石油取引の約4分の1がここを通過する。サウジアラビア、イラク、イラン、クウェート、バーレーン、カタール、UAEはいずれもホルムズ海峡経由で原油を輸出しており、その大半はアジア向けだ。

湾岸諸国にはディーゼルやナフサ(プラスチックやガソリンの原料)などの石油製品を大量に生産する製油所もあり、これらもホルムズ海峡を通じて世界各地へ輸出されている。

液化天然ガス(LNG)市場にとっても極めて重要だ。昨年は世界のLNG供給量の約5分の1がホルムズ海峡を通過し、その多くはカタール産だった。中東から輸送されるLNGの大半も、やはりアジア向けだ。

エネルギー以外でも、ホルムズ海峡はアルミニウムや肥料など農産関連製品の輸出におけるチョークポイント(海上交通の要衝)となっている。北半球では農家が畑への肥料をやる時期にあたり、作物価格や食品インフレを押し上げるリスクがある。

イランはホルムズ海峡を封鎖できるのか

国連海洋法条約(UNCLOS)では、各国は自国の海岸線から最大12海里(約14マイル)まで主権を行使できる。これはホルムズ海峡の最狭部よりも短い距離だ。

同条約では、外国船舶に対して領海での「無害通航」を認める必要があり、国際航行に利用される海峡における「無害通航」や「通過通航」を妨げてはならないと定めている。イランは1982年に同条約へ署名したが、議会による批准は行われていない。

イラン政府はこれまで、海上封鎖を実行する能力があると主張してきた。実際、脅しだけでも混乱を引き起こせることを示している。

また、軍艦を出港させずとも実行できる選択肢もある。小型高速巡視艇による船舶への嫌がらせといった比較的影響の小さい手段から、ミサイルやドローンでタンカーを攻撃して商船の航行を危険にするような極端な手段まで幅広い。

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