大手企業勤務ながら3つの複業こなす元ラグビー日本代表、"四刀流ビジネス"に導いた「超戦略的セカンドキャリア術」

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「九電には約8年間勤務しましたが、九電はラグビー部でも仕事を相当やるのです。私は最初電気料金の徴収から始まる営業を4年間やり、後半の4年はシステム開発、エンジニアなどを動かして管理する業務に携わりました。ラグビーをやってまた仕事を繰り返す、かなり多忙な日々でした。私は九電に入る前からセカンドキャリアを意識していたので、ラグビーをしながらちゃんと仕事をやる九電に入ったのは正解だったと思っています」

正海智大さん
九電時代の試合(写真:正海さん提供)

ラグビーを引退したのは18年、30歳のときだった。長年続けたラグビーだったが、不思議と寂しさはなかったという。

「引退した理由はいろいろありますが、第一に日本人が世界で戦うのは難しいと感じたからです。やはりラグビーは体格が重要なので、日本はなかなかトップにはいけない。もう一つは、九電に入ったときからラグビーだけをやりたいわけではなかったためです。ある程度ラグビーをやりきった感はありましたし、セカンドキャリアを歩むためにもちょうどいい年齢でした」

チームの司令塔を担ってきた経験がビジネスに直結

ラグビー選手を引退した後、正海さんはしばらく本社でシステム開発の仕事を続けていたが、地方営業所への転勤を打診された20年の段階で転職を考え始めた。当時は新型コロナウイルス禍の真っ只中。不安ばかりが募ったが、新たなキャリアを歩みたいという強い気持ちが勝った。

「最初はコンサルファームに行きたかったのですが、結局今までやってきたシステム開発とエネルギーに関係する企業を受けました。最終的には大手エネルギー会社と大手通信系会社から内定が出て、20年末にエネルギー会社に転職しました」

転職活動は正海さんにとって、複数の事業に関わることになった大きなきっかけになった。転職活動の際、自分のできることを棚卸しして「見える化」する作業をしたことで、自分の能力やできることが明確になったからだ。

「まず自分の長所としてシステム開発ができることがあります。以前AIを使った事業で失敗したことがあるのですが、この時は手段が先行して目的を見失っていました。システム開発の際にも、目的をしっかり設定することが何よりも重要だと感じていました」

正海さんのもう一つの大きな強みが、ラグビーで培ったコミュニケーションの力である。ラグビーはフィールド上の15人プラスリザーブの8人も含め、総合力で戦うスポーツだ。フィールドの中で目的が不明確だと、コミュニケーションにズレが生じてチームがかみ合わなくなる。司令塔役を担うFBとしてチームメイトに対して目的や狙いを明確に「言語化」してきた経験は、そのままビジネスに直結すると考えた。

「どんな仕事でも、だいたいコミュニケーションのズレが不具合の原因の一つになります。それはラグビーをやってきた経験からよく分かります。自分の能力の見える化によって、スポーツ選手でも転職活動で内定が取れたことは自信になりました」

転職後は本業をしっかりこなしつつ、これまでのキャリアでの経験を生かして中小のコンサルティング会社、転職エージェントの事業にも関わることになった。25年11月に自身が設立し、代表取締役CEOを務める「Sports Strategy」は、その名の通りスポーツ選手のセカンドキャリアやスポーツチームの支援を手がける会社だ。

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