「実は置屋と文豪の密集地帯」「山手線沿線なのに"無表情な街"」殺風景な駅前から一歩踏み出した先には意外な光景があった

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田端銀座商店街は、どの駅からも少し離れた住宅地のなかにある。こうしたタイプの商店街は全国的に衰退気味だ。ここも例外ではない。ただし、客の絶えない人気店もある。

田端銀座商店街の幟(筆者撮影)
田端銀座商店街 シャッターが降りている店も多い(筆者撮影)

イカ巻、ごぼう巻が70円。シュウマイ、ギョウザ、ウィンナーなどは100円。いちばん高い牛すじが160円。通りに面したレトロなテイストのひさしの上に「おでん種」の看板が見える。一日中行列の絶えない人気のおでん屋「佃忠(北区田端3-8-6)」だ。

小さなテーブルで人気店の味を楽しむ

注文時、店のおばちゃんは「持って帰る、それともここで食べる?」と聞いてくる。店の脇の路地には小さなテーブルが並べられ、買ったおでんをその場で食べる人もいる。私は「ここで食べます」と応え、ガンモや玉子など、好みの種を注文した。

行列の絶えない「佃忠」の外観(筆者撮影)
「佃忠」のおでん。あっさりだがだしの風味が効いていて美味い(筆者撮影)

プラスチックの容器にささっと盛られたおでん種から湯気が上がる。口に入れなくても美味いとわかる。路地のテーブルでおでんをつつきながら、隣に座った地元住民にそれとなく訊いた。

「商店街の昔の話をよく知ってるのはどのお店ですかね」

「それなら、このちょっと先にある呉服の“きた浦”さんじゃないかな。今は店を閉めてるけど、ご主人はいるはずだよ」と教えてくれた。

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