82歳現役内科医が教える50代・60代・70代そして80代の過ごし方、「これからが人生本番」力強さの源はどこから

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会長を退いてからつくづく感じたのは、使命感はエネルギーの元になる、ということです。そういえば100歳を超えても精力的に活動をされて、105歳で亡くなられた医師の日野原重明先生は、100歳の時のインタビューで「元気の源は有用感。つまり、自分の存在が誰かの役に立っているという実感です」とおっしゃっていました。

ボランティア活動でも、シルバー人材センターに登録して何かしら人様の役に立つことをするなど、なんでもかまいません。まずは自分の好きなことをやるのが一番ですが、さらに「誰かの役に立つこと」をひとつ生活に加えてみませんか。

80代は人生の本番

私は今年6月で83歳になります。そこで、この先80代を迎える人や、今80代真っただ中の人の参考になるかと思い、私自身のこれまでと〝現在地〞について少々書きたいと思います。

子どもの頃の私は体が弱く、病気ばかりしていました。肺炎で小児科の先生が毎日往診してくださり、お尻にペニシリンの注射をされたり——。扁桃腺もよく腫らして高熱が出ていましたし、腎炎を患い、幼稚園にも行かれませんでした。

家は田町でしたので、父は病弱な子だから家のそばの学校に通わせたほうがいいと考えたようで、慶應幼稚舎を受けさせてくれました。私はやがて医師になり、診察をしながらさまざまな役職を引き受け、今やまわりの人からは「なぜそんなにお元気なんですか?」と驚かれるくらい活動的に日々を過ごしています。

2020年に10代目の慶應連合三田会の会長に就任した私は、80歳の定年制をつくりました。そして80歳を迎え、最後の挨拶で、こう宣言したのです。

「これから、私は地球の病気を治します」

今、地球環境は悪化の一途をたどっています。でも、多くの日本人は環境問題にそれほど関心がないようです。政治家も目の前のことしかいいませんが、環境をコントロールできなければ、人類はこの先、熱波、食糧危機、化学物質による被害、ナノプラスチックの害で絶滅するかもしれません。

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私は医師なので、化学物質やナノプラスチックの人体への影響が心配でなりません。そこでナノプラスチックの問題に携わることを、80代の大目標に定めました。未来の子どもたちのために、残りの人生は社会貢献に費やそうと決めたのです。

人は、やるべきこと、やりたいことがあると、エネルギーがわいてきます。私が今なお元気でいられるのは、「やらねばならない」と心に決めている目標があるからです。今まで生きてきた中で蓄積された知識や知恵、人脈、経験すべてを、この目標のために使うつもりです。

いわば私の人生の総決算。「さぁ、これからがいよいよ人生の本番」。そんな気持ちで張り切っています。

菅沼 安嬉子 菅沼三田診療所副院長

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すがぬま あきこ / Akiko Suganuma

1943年、東京に生まれる。1968年、慶應義塾大学医学部卒業、 内科学教室入室。現在、菅沼三田診療所副院長。

長年、産業医としても働く人の健康を支えてきた。2020年3月、女性で初めて慶應 連合三田会会長に就任。1985 ~ 2000年までの15年間、母校である慶應義塾女子高等学校で保健授業の講師も務めた。

また、 2001年~ 2008年、慶應義塾大学看護医療学部講師(臨床栄養学)。

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