小学館「マンガワン」問題で、被害女性が出した《1400字声明文》の凄み…「小学館を『許せない』とは言っていない」 の真意

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 2026年3月5日発売の週刊文春に「被害女性が全告白『私は性加害漫画家と小学館を許せない』」というタイトルの記事が掲載されましたが、私はこのタイトルがつけられることを事前に知りませんでした。私が文春の記者さんにお話したのは「やるせないです」という言葉であり、「小学館を許せない」という発言はしていません。

ここも意義深い文章の1つ。「タイトルは知らなかった」「『小学館を許せない』とは言っていない」という事実を明かすことで、第三者の過剰な怒りが加害者以外に向けられることは本意ではないという明確な意思が示されました。

さらに「週刊誌の記事はこのような過剰さを含むものであり、すべて真に受けないほうがいい」という警鐘のようにも見えます。これは週刊誌だけでなく多くのネットメディアにも該当することであり、第三者の怒りを増幅させることで営業実績を上げようという業界全体の悪癖に対する疑問と言っていいかもしれません。

過剰な怒りや臆測を防ぐための言葉

 2026年3月5日、小学館の取締役の方々が代理人弁護士の事務所に見えて、電話を通じて私に、これまでの対応について謝罪して下さいました。
 私は、被害の実相を知ってもらい、同じような被害に遭う人を無くしたいという思いが第1で、小学館に対して強い怒りや恨みを持っているわけではないこと、特に、漫画家さんの作品を小学館から引き揚げて欲しいとも思っていないし、多くの漫画家さんの活躍の場であるマンガワンをなくして貰いたいとも思っていないこと、私自身、小学館が発行している漫画のファンで漫画に助けられてきた人間なので、今後も良い漫画を世の中に出していっていただきたいことをお話しました。
 小学館の方からは、今後の再発防止をお約束いただき、終始、穏やかにお話することができました。

この文章からも「過剰な怒りや臆測を呼ばないために当事者から事実を伝える」という意思が感じられました。

当事者が「いろいろ報じられ、SNSでも語られているけどファクトはこれ」と言い切ることで、怒りの矛先が個人から組織に拡大し、最優先事項から外れていくことを避けたいのでしょう。

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