小学館「マンガワン」問題で、被害女性が出した《1400字声明文》の凄み…「小学館を『許せない』とは言っていない」 の真意

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 判決後、小学館が、私にわからないように別のペンネームを使って加害教員を原作者として活動させていたことを知って、確かにショックでした。しかし、私は、前科がある人であっても、絵を描いたりストーリーを考えたりすることはしても良いと思いますし、そういう人に発表の場を与えることも、一概に悪い事だとは考えていません。
 ただ、私は、加害教員の漫画を読んでくれている読者に対して誠実に、休載の本当の理由を伝えるべきだと思っていただけなのです。加害教員には、犯罪行為を認めて充分な対処をした上で、二度としないと約束してから次に進んでもらいたいと考えていました。

特筆すべきはこの文章でした。「ショックでした」と被害者としての心境を明かしつつ、「前科があっても、絵を描いたりストーリーを考えたりしても良い」「そういう人に発表の場を与えることも、一概に悪い事だとは考えていない」という見解を添える包容力に感心させられます。

ここでのポイントは包容力であって受容や寛容ではないこと。「決して加害者を許したわけではない」一方で、「それでもできるだけフラットな視点から社会のあるべき姿を考えていきたい」という姿勢がうかがえました。

「小学館を許せない」という発言はしていない

それと同時に、もし怒りがあったとしても、「生きていくことや働くことを禁じたいわけではない」「ネット上で“私刑”をしてほしいわけではない」という意思も感じさせられます。

被害者がこう言っている以上、私たち第三者が勝手な正義感を振りかざし、他人の道を閉ざそうとすることは、傲慢な行為なのかもしれません。

「それでも書かずにはいられない」という人は「自分は被害者の意思すら尊重できないタイプの人間」であることを自覚したいところです。

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