「強いて言うなら…全体的におかずが茶色すぎるかな?」 竹内涼真が好演『じゃあ、あんたが作ってみろよ』に見る"変化"

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

日本でも育児・介護休業法(1995年)や男女共同参画社会基本法(1999年)が施行された。さらに、2007年には仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章が制定され、男性も家事・育児役割を果たすことが目指された(以上、『共働きと男性の家事労働』より抜粋』)。

つまり、『池中玄太80キロ』の1980年から『じゃあ、あんたが作ってみろよ』の2025年までに「家事の負担感の公平化」が推進され続けていたのである。

実際、勝男の「料理は女性がするもの」という考えに対して「まるで化石男のようだ」と多くの視聴者は反応していることは、我々のなかに男女関係なく(料理を含む)家事をするのが望ましいという価値観の内面化を意味しているといえる。

「男性が働き、女性は家事する」というフォーマットの崩壊は、共働き世帯も年々増加しているのだから当然の結果だろう。かつては仕事に全力投球する男性が支持されてたが、「成長神話」が終わり、女性の活躍推進が叫ばれる現代においては家事する男性が支持されているのだ。

それは家事という営みが、単なる「仕事する人を支える」というものから「家族とのコミュニケーション」「自身や周囲のケア」という役割へと変革しているからである。

ポスト・ムラ社会~今こそゆるやかなつながりを~

池中玄太と海老原勝男の違いのもう1つは他者とのつながり方だ。前編でも触れたように、池中玄太は近所に住む大家さんや会社の同僚と「疑似家族」のような関係を結んでいる。具体的には子供の面倒を日常的に見てもらったり、誕生日パーティーの準備を手伝ってもらうといった具合だ。


一方の勝男は「ゆるやかな関係」を上手く構築している。料理を始めたきっかけは会社の後輩である白崎や南川との会話であったし、女性を無意識にカテゴライズしていたと気づいたきっかけはマッチングアプリで知り合った柏倉椿(中条あやみ)であり、近すぎず遠すぎない人たちとのコミュニケーションを通じて自身を見つめなおしていく。美容師との会話をきっかけに「自分の好き」を考え直した鮎美然りだ。

次ページ「成長」や「共同体」に縛られすぎない幸せのかたち
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事