高市首相に迫りつつある「鳩山政権の悪夢」 衆院選大勝から一転、石川知事選での"初敗北"を招いた「変化」の正体

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不支持の理由のトップは「人柄が信用できない」で30%を占めた。また、政党支持率も自民党は33.6%と、これも2月の調査から6.3ポイント減少した。

理由はいくつか考えられる。1つは、「竹島の日」となる2月22日に島根県で開かれた記念式典に、政務官を派遣したことが挙げられる。

古川直季
「竹島の日」記念式典であいさつする古川直季内閣府政務官(写真:時事)

日本政府は13年以来、記念式典の主催者が国ではなく島根県という理由で閣僚を参加させず、政務官を派遣してきた。高市首相は25年の総裁選で「堂々と大臣が出ていったらいい」と発言し、自民党の岩盤支持層などが熱く賛同。島根県の丸山達也知事も「そういう候補がおられるという状況だけでも、物事は進んでいる状況」と歓迎した。

しかし、実際には政府の代表として古川直季内閣府政務官が出席し、自民党からは有村治子総務会長が参加した。党三役を派遣したことで「公約」を補おうとする意図がうかがえるが、有村氏を祈念式典に参加させたことは国内的にアピールできても、外交的な意味は大きくない。

高市首相の“変節”が生む逆風

韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領と良好な関係を築いている高市首相は、韓国の反感を買う行為はしたくないはずだ。2人は昨秋に韓国で開かれたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議で初顔合わせし、首脳会談で意気投合。今年1月には高市首相の地元・奈良県で日韓首脳会談を行った。

昨年11月の衆院予算委員会での「台湾有事」発言以来、中国が高市首相にとって大いなる“鬼門”になっているが、これ以上、敵を増やしたくないということだろう。しかし、政治家は過去も含めて、その発言の責任を背負わなくてはいけない。期待が大きければ大きいほど、変節は許せないものとなってしまう。

これまでも鳩山由紀夫元首相など、政権発足時こそ高支持率であっても、あっという間に落ちた例がある。首相就任前からくすぶっていた匿名献金問題やアメリカのバラク・オバマ大統領(当時)に対する「トラストミー」発言、普天間をめぐる内閣の見解不一致などの問題が発生し、それでは参院選(10年)を戦えないと党内で「鳩山降ろし」が勃発した。

09年の衆院選で当時の民主党は308議席を獲得したが、「わが世の春」にこそ内乱は発生する。今年2月の衆院選で316議席を獲得した高市政権が、それとは無縁だと断言できようか。危機は見えないところから、ひしひしと迫ってくる。

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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