建国時には"辺境の地"であったはずのアメリカが、世界における《例外の国》になり得た真の原動力
なぜ、イギリスは資本主義を完成させることができなかったのか。それはイギリスが、貴族を頂点とする階級社会だったからだ。
イギリスの階級は3つに分かれているとされている。「上流階級」「中流階級」「労働者階級」だ。
上流階級は王族、貴族であり、中流階級は医者や弁護士、企業経営者から、教師、エンジニア、公務員、会社員まで幅広く含まれている。そして労働者階級とは文字どおり、肉体労働を行う人たちのことである。
そしてイギリスにおいては上流階級の人々が、専ら自分たちの豊かさのみを追求するため、中流階級や労働者階級から富を収奪し、それを海外に流すグローバル投資を行った。
たとえばアメリカの大陸横断鉄道は、イギリスの資本が入っていたし、観光地として有名なスイスの観光インフラも、そもそもはイギリスの上流階級の人々がスイスに旅行するのを目的にして整備されたといわれている。
山の空気、アルプスの湧き水、乳清(ホエイ)、スイスの温泉の癒し効果はロンドンのサロンにもすぐに知れ渡った。
トーマス・クックが欧州大陸を巡る初の団体旅行を手掛けた1858年頃から、スイスはすでに外すことのできない観光地になっていた。そして交通網の拡大で魅惑的なアルプスの世界に行きやすくなったことも、スイスを人気の観光地に押し上げる要因となった(Swiss info chより)。
イギリスによるインドの直接統治、エジプトの保護国化、南アフリカ連邦の樹立なども、その裏には「金融ジェントルマン」といわれたイギリス上流階級が、自分たちに利権を誘導するために推進したといえなくもない。
「イギリス資本主義」の最大の失敗
こうしてイギリスは覇権国家として、世界の7つの海を支配したが、それによって豊かになったのは、上流階級の人たちだけであり、生み出される富の多くが海外由来のものとなった。
海外に資本をばらまき、そこから得られる富は上流階級が独占する。このような資本主義では、イギリス国民全員が豊かになることはなく、国内市場も発展しない。その結果、イギリス国内の産業発展はやがて限界を迎え、アメリカやドイツに工業力で敗北した。





















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