日中関係悪化の中…深まる《中韓関係》の実態 「文化の起源」「THAAD」を巡る論争あるが、中国人の"韓国への好感度"が変化

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韓国で20年間暮らしている中国人の冷さん(50歳女性)に話を聞いた。韓国人と結婚し、2人の娘を育てており、生活はすっかり韓国社会に溶け込んでいる。

彼女によれば、韓国人の対中イメージは世代や経験によって大きく異なるそうだ。中国を訪れたことのない高齢層の中には、中国を北朝鮮やベトナムと同列に捉え、「中国人はマナーがよくない」と考える人もいる。また、実際に中国を訪れた経験のある人々の中にも、その発展ぶりに驚きつつ、公共マナーの面では依然として課題が残ると見る傾向があるという。

冷さん自身は、これまで韓国で差別を受けたことはない。韓国社会は在韓中国人を特別に歓迎もしないが、あからさまに排斥することもないという。ただ、好感度に順位をつけるなら、日本人や台湾人が上位に来て、その次が中国人ではないか、とも冷さんは語る。

韓国
韓国の様子。写真はストリート系セレクトショップのALAND(写真:取材協力者提供)

彼女がその転機として挙げるのは、18年の平昌冬季オリンピックだ。大会をめぐり、両国のネット空間では激しい応酬が起こり、反韓・反中感情が広がった。

冷さんにとって特に象徴的だったのが、文化をめぐる論争だ。開会式で中国の朝鮮族が民族衣装を披露すると、韓国で「韓服の盗用ではないか」との批判が起こり、文化的アイデンティティをめぐる対立へと発展した。こうした感情の応酬は、若い世代の相互不信を深める一因にもなったようだ。

韓国文化への深い愛情を抱く中国人留学生

日本と韓国の両方で留学経験のある中国人の趙さん(32歳女性)にも話を聞いた。彼女は12年に来日して慶応義塾大学を卒業し、日本で数年間会社員として過ごした後、24年に韓国のソウル大学に留学した。

彼女はもともと熱心な韓流ファンで、K-POPや韓国文化に強く惹かれてきた。そのため、「現地で学び、暮らさなければ後悔する」という思いから渡韓したという。

趙さんはソウル大学大学院で国際通商を専攻している。大学では国際交流の機会も多い。遊園地ツアーや漢江クルーズ、毎週金曜日の無料コーヒータイムなど、韓国人学生と留学生が気軽に語り合い、ボードゲームを囲む場が設けられている。

そこでは旅行や言語、最新テクノロジーの話題が飛び交い、中国に関心を寄せる学生も少なくない。異なる背景をもつ若者たちが、ゆるやかにつながっていく光景が日常にある。

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