AIに「近くのおいしい中華」を聞く若手社員はなぜ伸びないのか? デジタルネイティブ世代への「仕事の本質」の教え方

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若手社員のマネジメントで気をつけることは、仕事の「本質」を示してあげることだ。

上司世代には当たり前の話で恐縮だが、仕事は指示されたことをそのままこなすだけでは、期待されるレベルに達しているとはいえない。

顧客のニーズや上司の指示の意図を考え、どんな提案ができれば喜んでもらえるのかを、主体的に掘り下げていくことができてはじめて「仕事をしている」といえるのだ。

たとえば、同僚とランチに行く約束があって、事前に店をリサーチすることになったとしよう。同僚は「中華料理がいいな」と言った。

ここでAIに「この周辺にある中華料理店」を聞いてしまうのが、若手社員がやりがちなミスだ。これだときっと、「現在地から近い、口コミの評価が高い店」が、ひたすら挙がってくるだろう。

上司世代や先輩世代ならこのように考えるはずだ。

「ランチタイムだから、徒歩10分以内の場所がいいだろう」

「中華とは言っても、同僚は辛いものがあまり得意じゃなかったな」

「そういえばダイエット中だと言っていたから、野菜たっぷりのメニューがある店だと喜ぶかもしれない」

こんなふうに、同僚の好みや要望によりフィットした店を探し出すためには、条件を自分なりに整理し、深掘りしていく必要がある

これが、仕事の「本質」と「自分ごととして捉える」ということにあたる。

若手社員には「本質」の視点と、それを提案しようとする「主体性」が欠けているため、AIを使って短時間に答えを出せたとしても、それがピントはずれなことが往々にしてあるのだ。

どれだけ解像度を上げて物事を見るか

当然だが、上司サイドも本質をきちんとわかっていなければ、部下から「それっぽい」アウトプットが出てきたときに、マネジメントすることができない。

上司ならば「この仕事を何のためにやるのか」という本質をしっかりと深掘りし、それを若手社員に伝えていく必要がある。

どうしてその作業が必要で、あなたがどんなゴールを目指しているのかを、擦り合わせる。そして若手社員から上がってきたアウトプットを、一緒に検証していく。

頭ごなしに「違う! やり直し!」と言うのではなく、「どうして、これが最適解なんだっけ?」「このタスクの本質は何だっけ?」と、若手社員に寄り添い、本質にたどり着くように導いていくのだ。

顧客から「聞き出す力」や、AIから出された答えを「疑う力」。つまり、「どれだけ解像度を上げて物事を見られるか」ということが、これからのビジネスパーソンには求められている。

逆に、その視点さえ持ち続けていれば、「作業」はAIがやってくれるからラクだとも言える。

AI時代であればなおさら、若手社員の「人間力」を育てていくことがカギなのだ。

太田 亮 ハーベス取締役/実務家

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おおた りょう / Ryo Ota

1981年生まれ。リクルートスタッフィング、楽天グループを経て、業界最大手の日本M&Aセンターにて実績を積む。同社でのM&A累計成約は30件以上。楽天では支社長、日本M&Aセンターでは営業部長として、人材育成や事業立ち上げ、行政アライアンス/地方創生、M&A、PMI、財務・法務業務に携わり、MVPや年間トップ成績を多数達成。2025年より現職。かつては寝食を忘れて働いていたが、本来の「ナマケモノ」性分を逆手に取り、ムダをそぎ落とすことで、最短で最大の成果を出すスタイルを確立した。『ナマケモンが教える 社会人1年目の仕事術』(東洋経済新報社)を監修。

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