吹奏楽部「大編成の存続危機」が実はチャンスと言えるワケ、《指導と編成》進化のカギを握る驚きの"先端技術"とは?

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奏者は“音ゲー”の要領でパソコンの表示に合わせて楽器に息を吹き込めば、指がおぼつかなくとも演奏ができてしまうという、「半自動演奏ロボット」なのだ。

半自動演奏ロボット
「半自動演奏ロボット」。運指は自動なので、指使いを習得していなくても、息をタイミングよく吹き込めば演奏が可能となる(左写真:上瀧研究室HP、右写真:上瀧剛教授のTikTok)

一般的に楽器を演奏するという行為は、雑駁に言えば、楽器を扱う「フィジカルな要素」と、楽譜を読み音を感じる「感性の要素」とに分けられる。本来であれば「脳で考えて音を感じ、指に伝えるプロセス」を、「AIが楽譜を読み駆動装置やセンサー等を用いて人間の指に伝える」――上瀧教授の研究は将来的に、そんな逆転の発想から演奏能力を向上させる、新たなシステム構築のきっかけになるのではないかと考えている。

この運指サポートの仕組みが洗練されていけば、これまで指導者や先輩が手取り足取り伝えてきた技術を、このシステムを通じて1人で習得できるというわけだ。とくに指導者が少ない地域の部活動では、重宝するのではないだろうか。

「演奏学習システム」、活用の本質とは

吹奏楽が地域展開していくにあたり、「課題解決のカギは指導者である」とあちこちで指摘されていることを踏まえても、AI等を活用した練習や演奏を採り入れて指導することは避けて通れないものと考えられる。私たち大人が積極的に新たな知見に学び、芳しくない方向に発展してしまった日本の吹奏楽を変革しなければならない。

一方で、現時点でのAI等を活用した演奏学習は、能率性は高めてくれるものの創造性という点ではまだ発展途上だ。それゆえ、あくまでも、「人間の感性の向上」を前提に活用を考えることが重要だ。テクノロジーを活用しても、高い完成度に向かってもがく姿の積み重ねが、生身の人間の演奏に深みを生み出すということを忘れてはならない。

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