学校を変えた、困っている子は「校長室に登校」《担任一人に背負わせない仕組みで"排除しない教育→学校文化"を形に》
実際、担任一人では対応が難しいケースもある。そこで、例えば知的障害のある4年生の児童に対しては、保護者の同意のもと「校長室登校」とし、1年生の頃から高橋氏がほぼ毎日1時間の取り出し指導を行ってきた。
当初はひらがなを書くことも難しかったが、現在はすべて書けるようになり、コミュニケーション面でも成長が見られるという。担任だけで抱え込むのではなく、学校全体で支える体制をつくる――その考え方を体現した取り組みの1つだ。
「胸を張って言える成果があるわけではないのですが」
そう前置きしたうえで、高橋氏はこう語る。
「少なくとも、『この子がいると学級経営ができません』という先生はいなくなりました」
困ったときに助けを求められる仕組みと、「学校が支えてくれる」という安心感。その積み重ねが、教員の意識を少しずつ変えていった。
「学び方」を子ども自身が選ぶ授業の風景
こうした学校全体で支える仕組みは、実際の学級づくりにも反映されている。26年2月の公開研修会では、「国語・会話を基盤に、対話と関わり合いを重視した学級経営・授業づくり」をテーマに、各学年での実践が紹介された。
1年生では、幼児期から小学校への移行期にある児童への支援が報告された。集団生活に慣れず、当初は4時間授業のうち1時間ほどしか教室で過ごせない児童もいたという。
担任は「困った子」ではなく「困っている子」という視点に立ち、机の整理や教室のルール、友達との関わり方を一つひとつ確認。保護者とも連携しながら、安心して過ごせる環境づくりを進めた。その結果、徐々に教室の中に居場所を見つけ、3学期には「学校で勉強しているときが素敵な時間」と語るまでに成長した。





















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