学校を変えた、困っている子は「校長室に登校」《担任一人に背負わせない仕組みで"排除しない教育→学校文化"を形に》
埼玉大学教育学部養護教諭養成課程で学び、障害児教育の専門家としてのキャリアをスタートさせた高橋氏。理論だけでなく、YMCAでの障害児野外活動ボランティアに足掛け10年関わるなど実践を通して学びを深めた。
「大学時代に、特別支援学級を長く担当されていた先生の話を聞く機会がありました。その方の、『私が担任をしていたとき、特別支援学級は学校でいちばん日当たりのいい場所にありました。でも私が異動した途端、いちばん日当たりの悪い隅に移されてしまったんです』という言葉に衝撃を受けました。
目に見えない“排除の論理”のようなものを感じ、『特別支援学級で働くということは、学校組織の中で立場や環境を守るための戦いが必要なのだ』と。組織の内側から変革していきたいと、あえて特別支援学級で働く道を選びました」
高橋氏は21年間特別支援学級担任を務めた後、主幹、副校長を経て杉並区立杉並第四小学校で4年間校長を務め、2021年に杉並区立桃井第一小学校の校長に就任。前任校を含め10年間、「インクルーシブ教育=排除しない教育」を学校経営の柱の1つとして教育活動を進めてきた。
「インクルーシブ教育というと、いまだに特別支援学級や特別支援教室など、専門の先生方が担う分野だと受け止められることがあります。中には、特別支援教室と特別支援学級の違いを十分に理解していない教員もいます。
しかし、本当に変わらなければならないのは通常の学級です。通常の学級が変わらなければ、インクルーシブ教育は実現しません。大切なのは日々の学級経営です。できないことをほったらかしにしない、子ども一人ひとりを大切にする学級経営は、自ずとインクルーシブ教育に向かっていく、と私は考えています」
「インクルーシブ研修だより」が変えた教員たちの意識
教職員の意識改革を目的に高橋氏が校長着任2年目から行ってきたのが、全教職員に向けた「インクルーシブ研修だより」の発行だ。





















無料会員登録はこちら
ログインはこちら