生地同様、セントラルキッチンから届けられるタネにもこだわりがある。材料は、品質の安定した玉ねぎと、味に奥行きが出るようウデ・モモ・バラ3部位をミックスした豚肉。それらを合わせ、塩、胡椒、醤油、砂糖で味付けて煮込む。添加物は一切使わない。
7.5秒に1個。「美人豚まん」の条件とは
キッチンから届けられた生地とタネは、全部人の手で包まれ、蒸し上げられ、豚まんになる。1日17万個、すべてだ。
手順はこうだ。まず豚まんには、皮が70グラム、タネが60グラム、合計130グラムというルールがある。職人が手の感覚と、秤を使って重さを確認しながら、生地を塊から手でちぎって切り分け、再度発酵させる。
次に、それを円形に広げ、左手に乗せる。そこに右手でタネを乗せ、指先でシワを寄せながら、タネに蓋をして包んでいく。完成形は、直径8〜9センチくらい。これをせいろで約20分蒸し上げれば提供できる。
包む時間は、一人前の職人で1個約15秒、1分に4個の豚まんを包んでいる。1時間で1人約200個。本店は、1日約12時間豚まんを作るそうだ。
取材時に包むところを見せていただいたが、本当にあっという間にズラリと完成していって驚いた。包んでいる方に、「包んでいる間何を考えているんですか」と尋ねると、「食べる人のことを考えて、具材がちょうど真ん中になるようにとか、見た目がきれいになっているかとかですかね」と照れたようにほほ笑んだ。この心配りが、豚まんをおいしくしているのだろう。
その方にお聞きしてもう1つ驚いたのが、「美人豚まん」が存在するという事実だ。
「豚まんって、作る人によって、そして同じ人でも、ちょっとずつ形が違うんです。551ではこれを『豚まんには顔がある』という言い方をしていて、美しい豚まんを『美人豚まん』と呼んでいます」と八田さん。
では、なにをもって「美人豚まん」と呼ぶのか。聞けば、その条件はかなり厳しかった。具がちょうど真ん中に入っていること、量が正確なこと、ひだが13本きれいに入っていること、大きさ、上下左右のバランス、ふっくら感。そして、作るスピードまで。すべてをクリアしたものだけが「美人豚まん」と呼ばれる。“至高の豚まん”のハードルは高いのだ。





















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