機械化せず手包みで1日17万個の"爆売れ"《豚まんチェーン》─「出店してほしい!」の声多数だが関西圏から出ない訳

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発酵が進みすぎると、生地の匂いが強くなってしまったり、膨らみすぎてしまったり、逆に膨らまなくなったり。豚まんがおいしくできる生地を届けられる範囲が、150分だというのだ。

現在店舗があるのは、大阪、京都、兵庫、奈良、和歌山、滋賀の6府県だ。「今の高速道路事情なら、もっと遠くまで行けるのではないか」と思ったことを見越してか、八田さんはこう続けた。

「片道だけなら名古屋にも届けられると思います。ただ、150分で『確実に届けられないと』ダメなんです。途中、渋滞や事故があるかもしれませんし。うちは基本、午前2回、午後2回のトラックを各店に走らせているので、それを毎日確実にやるとなると、今の圏内が限界です」

なるほど。関西限定は、ブランド戦略ではなかった。発酵という自然現象に、物流が追いつかないのだ。

150分の発酵を守るからこそ、あの、ふわふわやわらかい生地が生まれる(写真:筆者撮影)

「スグ」「普通」「オサエ」3つの生地の秘密

また、150分以内に届ければOK、というわけではない。届いた生地が「最高の状態」でなければ意味がない。そのための工夫がある。

「スグ」「普通」「オサエ」――生地に、名前がついているのだ。「スグ」は完成後約1時間で使える生地、「普通」は約2時間後、「オサエ」は約3時間以上経ってから使える生地だ。

店では、次のトラックが来るまでにどれだけ生地を使うかを計算し、3種類を使い分けていく。ただし、この「使用時間」はあくまでも目安だ。

「使う前に、スタッフが手で触って必ず確認しています。発酵の進み具合は気温や湿度でも変わりますから。最も気にしているのは生地の硬さですね。触れてみて、万全の硬さかどうか」

豚まんを包むために小分けにされた生地。材料は小麦粉、イースト、砂糖、水のみ(写真:筆者撮影)
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