世界は会計でできている。組織を操る「管理会計」ならノルマが算出でき、教育計画が立ち、金メダルへの道まで見えてくる!?
一方、管理会計は財務会計とは逆に「利益」からスタートします。結果としての利益ではなく、目標としての利益を決めることから始めるのです。
得るべき利益を決めると、そのために必要な売り上げやコストが計画できます。「これだけの売上を達成した上で、コストをこれだけ抑えないと、この利益は出ない」というわけです。
その数字を上から下にブレークダウンしていけば、各部門のノルマが決まり、それぞれの部門に属する個々の従業員のノルマも決めることができます。
部長は課長に、課長は係長に、係長は一人ひとりの部下に「これだけ売りなさい」「経費はここまで抑えなさい」などと指示をすることになるわけです。
財務会計がデータを抽象化するツールであるのに対して、管理会計はデータを具体化して現場を上からコントロールするためのツールです。
前者は過去の結果を把握する「決算」のためのツール、後者は将来の結果を得るための「予算」のためのツールだといってもいいでしょう。
管理会計によって時間、空間が具体化
ちなみに、管理会計によって具体化されるのは、売り上げやコストの数字だけではありません。
たとえば工場なら、その数字を実現するために、ひとつの生産ラインで年間に何個の製品をつくる必要があるかが計算できます。
すると1日の平均個数がわかり、さらには1時間あたり何個、1分あたり何個……というところまでノルマがブレークダウンされるのです。
また、より効率を高めるために、機械や材料、作業する人員などの配置も見直されるかもしれません。金額のノルマだけではなく、それを達成するための時間と空間までコントロールできるのですから、管理会計とはじつに強力なツールだといえます。
しかし考えてみると、このように目標に向けてやるべきことをブレークダウンすることで日々の行動を決めるのは、企業などの経済活動だけではありません。
たとえば受験生は、目標とする志望校の合格を勝ち取るために、勉強すべき内容をリストアップし、それを入試当日までにこなすための日々の計画を立てます。オリンピックを目指すアスリートもそれと同じです。
そこまで大きな目標ではなくても、結婚して子どもができれば、その子が独り立ちするまでの資金計画や教育計画を考えるものです。
住宅ローンを組めば、それを完済するために日々の家計をどうするかを考える。そうやって目標への道すじを具体化するプロセスは、管理会計の発想にほかなりません。




















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