大量飛散でいつもの薬が効かない!重症花粉症で注目の治療薬「ゾレア」とは?内科医が教える"最新治療の2ステップ"

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対象となるのは12歳以上で、既存のほかの治療(鼻噴霧用ステロイド+抗ヒスタミン薬)で効果が不十分な重症・最重症であり、かつスギ花粉に特異的なIgEが陽性の場合に限られます。

値段については、ゾレアは保険診療で受けられますが、高度なバイオ製剤であるため、150mgあたり約2万2000円と高価です。自己負担割合が3割の場合、1カ月あたり約7000円〜5万円の治療費となります(診察料は別)。費用はゾレアの投与量により変動します。

この値段をどう受け止めるか。生産性維持のための「投資」「必要コスト」と捉えるかどうかは、人によって違うと思います。見方を変えると、花粉症治療も「選ぶ」時代に入ってきたといえるのではないでしょうか。

最新治療の「2ステップ」

■舌下免疫療法とは

ゾレアは、つらいシーズン中のパフォーマンス低下を防ぐための緊急手段です。しかし、これだけでは来シーズン以降の課題は解決しません。

筆者がビジネスパーソンにぜひ知っておいてもらいたい治療として挙げたいのは、ゾレアで目先の症状を確実にコントロールしながら、シーズンオフには「舌下免疫療法」を導入する戦略です。

アレルギー反応の本質は、本来無害な花粉などのアレルゲンに対し、免疫システムが誤作動を起こして反応することです。

舌下免疫療法は、アレルゲンをあえて微量ずつ継続的に体内に取り込むことで、免疫システムを再学習させる治療です。これにより、体がアレルゲンを異物として攻撃しない「免疫寛容」という状態を誘導します。つまり根本的に花粉症を治すことができる、というわけです。

現在の舌下免疫療法は自宅での投与が基本です。1日1回、錠剤を舌の下に置いて1分間保持して溶かし、吸収させるだけという極めてシンプルなルーティンで完結します。

■舌下免疫療法の有効性

この治療法の真価は、投与中だけでなく、投与を止めたあとも効果が持続するという点にあります。

臨床試験では、3シーズンにわたり治療を継続した群は、プラセボ(偽薬)群と比較して46.3%もの症状抑制効果を示しました。

さらに驚くべきは、治療終了後のデータです。治療を完全に止めたあとも、1シーズン目(通算4シーズン目)で45.3%、2シーズン目(同5シーズン目)でも34.0%の抑制効果が持続していました。

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