大量飛散でいつもの薬が効かない!重症花粉症で注目の治療薬「ゾレア」とは?内科医が教える"最新治療の2ステップ"
この状態を放置することは、本来発揮できるはずの生産性を損なう機会損失にほかなりません。
内科医として多くの患者さんを診てきた筆者の立場から断言すれば、従来のアプローチで太刀打ちできない重症・最重症のケースでは、抗ヒスタミン薬などで症状を抑える対症療法の積み重ねではなく、戦略的な「上流への介入」が必要です。
■花粉症のメカニズム
花粉症の本質は、花粉(スギ花粉など)という抗原に対する過剰な免疫反応です。その中心で攻撃のスイッチを入れるのが、IgE抗体と呼ばれる物質です。
アレルギー反応のプロセスは、次のようになります。
まず、花粉が鼻や口から体内に侵入すると、それに対応するIgE抗体が作られます。そのIgE抗体は、主に皮膚や気管支、腸の粘膜や血管組織に存在する免疫細胞である肥満細胞(マスト細胞)の、表面にある受容体に結合します。
これにより、あたかも花粉を感知するかのように、アンテナが立った状態となります。これを感作といいます。
一度、感作が成立すると、再び花粉が侵入して受容体上のIgEと結合した際に肥満細胞が活性化し、細胞内に含んでいたヒスタミンなどの化学物質を放出します。これが鼻水や鼻閉、かゆみなど花粉症の症状を誘発します。
つまり、IgE抗体と肥満細胞の受容体との結合こそが、花粉症によるアレルギー反応を発動させる物理的なスイッチとなっているのです。
重症者の救世主ゾレアとは?
ところで、後述する既存治療を尽くしても症状が残って、パフォーマンスが改善しない重症・最重症患者への強力な救世主として注目されているのが、ゾレアです。
これは先にお伝えしたアレルギー反応に着目して作られた、「ヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体」という高度なバイオテクノロジーを用いた注射薬です。
ゾレアの最大の特徴は、アレルギー反応を境界線で防衛する点にあります。ゾレアは肥満細胞の受容体に結合する前の、血清中にいる遊離IgEと結合することで、IgEの受容体への結合を競合的に阻害します。
加えて、長期的には肥満細胞の表面にある受容体そのものを減らす効果も期待されています





















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