しかし残念なことに、意識せずいろんな子と交われるのは、小学校の低学年から中学年くらいまでの非常に限られた時期だけのことです。思春期以降になると、「類は友を呼ぶ」といいますか、価値観、趣味、話が合う友だちとしか交わらなくなるのです。そのときに友だち選びの規準になるのは「親の価値観」です。自分の両親のもつ文化や考え方を規準にして、子どもは友を選びます。それは、ほぼ確実です。
ご相談者のお子さんは小3と小1です。まだ雑多な人間関係を楽しめる年齢ですから、お母さんは「どうしてタイプの違う子と仲よしなのかな」と思うかもしれません。でも、これがすばらしいことなのです。雑多な人間関係があるからこそ、人を見る目が養われ、どんな人とでも交われる能力を身につけていくのです。
いまは、どんな友だちもすべて大切です。おっしゃるように「あの子と遊んではダメ」なんていうことは言わなくていいのです。いえ、言ってはいけないのです。
ときには、親が眉をひそめるような行動をとることもあるでしょうし、お金の使い方で友だちの悪い影響を受けるようなこともあるかもしれません。そんなときは、「お母さんはそんなふうにお金を使うのはいけないと思う」「そんな考え方は嫌い」と言ってかまいません。
ほかの子がいくらお金を使ったとしても、それはその家庭の価値観の問題です。けれど、わが家はわが家。しかるのではなく、穏やかに、しっかりと「わが家の価値観」を伝えることです。ここが大事です。
その規準がはっきりしていないのなら、すぐにでも夫婦で話し合いましょう。あいまいにしたまま、「価値観の違う子とはつきあわせない」と引き離すことが、いちばんいけないのです。
「人間関係の絶対量」が不足している
いま、日本ではおびただしい数の人が引きこもっています。せっかく就職しても、2~3年で辞めてまた別の仕事を探し、定職につけずにいる若者もたくさんいます。
彼らは、仕事ができないから続けられないのではありません。人間関係がつくれないのです。就職したばかりの新入社員は、仕事ができなくて当然です。
それでも、先輩に教えてもらい、新人が入ってきたら教えてあげて、人間関係の中で少しずつ仕事を覚えて続けていくものなのです。それができなくなっているのです。
その背景にあるのは、子ども時代の人間関係の絶対量の不足ではないかと、わたしは思います。
社会にはいろんな人がいます。親が求める品行方正な子とばかり遊んでいたのでは、品行方正な人が集まる場所でしか働けません。どんな人とでも交われる人に育てたいのであれば、どんな子とでもつきあわせてあげることがとても大切です。





















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