「りくりゅうは恋人同士?」モヤモヤから生まれる"曖昧さ"がヒットを持続する。「ご想像にお任せします」に見る "答えを提示しない"強さ

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この距離感に「恋人であってほしい」と思う人も多いはず(写真:アフロスポーツ)

『新世紀エヴァンゲリオン』も同じ構造?

この構造は身近な例で説明できる。例えば飲食店だ。

「秘伝のタレ」と書かれた焼き鳥屋を見れば、「何が入っているのだろう」「何年継ぎ足しているのだろう」と想像が膨らむ。客同士の会話も生まれる。だが「醤油○g、砂糖○g、みりん○g」と具体的な配合まで書かれた瞬間、余白は消える。味は同じでも、物語は終わる。

違いは情報量ではない。“想像できる余地”の有無である。

エンタメ面でも同じ構造が見られる。その代表例にアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』がある。さまざまな謎を散りばめ、それが完全には回収されなかったことから、考察が社会現象となり、25年以上語られ続けるコンテンツとなった。

アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』でもさまざまな考察が飛び交った(写真:アフロ)

連続ドラマも同様だ。『あなたの番です』のように、「誰が犯人か」「次は誰が殺されるか」といった考察がSNSで拡散し、話数が進むごとに議論が増幅していった。ヒットの背景には、解釈が連鎖し続ける構造があったのだ。

そうなれば、当事者が語り尽くさなくても、受け手が語る。SNSではUGC(口コミ)が連鎖し、広告費をほとんどかけずに話題が増殖する。

その代表例が、無印良品の「#無印良品のある生活」である。無印良品は企業側が商品ストーリーを語りすぎない。代わりにハッシュタグのもと、ユーザーが自分の部屋や暮らしを投稿する。企業が生活像を定義しないため、ユーザーがそれぞれの“無印らしさ”を語り始める。

結果、Instagramでは関連投稿が大量に蓄積し、「広告」よりも「生活提案」がユーザー側から供給される状態が生まれた。無印が“正解の暮らし”を提示しきらず、投稿者が自分の生活を重ねられる「余白を残した」点が重要なのだ。

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