「りくりゅうは恋人同士?」モヤモヤから生まれる"曖昧さ"がヒットを持続する。「ご想像にお任せします」に見る "答えを提示しない"強さ

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会見では、「兄妹のようにも見える」「友人関係にも見える」「夫婦漫才のようにも見える」と質問が飛んだ。木原は「戦友じゃないですけど」と答え、三浦は「家族みたいになっている」と語った。しかし最後まで、明確な断定は避けられた。それが良かったのだ。

なぜなら情報は、明確に提示された瞬間に終わる。

「交際しています」と言えば祝福で完結する。「交際していません」と言えばため息で完結する。だが「ご想像にお任せします」は終わらない。終わらないから、人が続きを考える。

優しく金メダルをかけてあげる場面も(写真:東京スポーツ/アフロ)

SNS時代に拡散されるのは、事実そのものよりも“解釈”だ。人は受け取るだけでなく、自分の言葉で意味づけをしたくなるもの。りくりゅうの場合も、「恋愛なのか」「信頼なのか」「家族のような関係なのか」といった推測が投稿され、それが連鎖した。

ここで生まれているのは、単なる話題ではない。“解釈が更新され続ける構造”である。だからこそ、話題が終わらないのだ。

長くバズる「参加型消費」という構造

この現象は、マーケティングでは「参加型消費(participatory consumption)」と呼ばれる。

従来型の広告・拡散は、

企業(拡散者) → メッセージ → 消費者(ユーザー)

という一方向の構造だ。

一方、参加型消費は、

余白 → 解釈 → UGC(口コミ) → 拡散 → 熱量持続

という循環で回る。

この循環は企業がいくら消費者にアピールしても作るのは難しい。人が「語りたい衝動」そのものを作るのは困難なのだ。しかし、そこになんらかの余白があれば、人は自ら語り出す。そこに“能動性”が生まれる。

「りくりゅう」の発言は、まさに余白を生んだ。

演技中の視線、インタビュー時の距離感、ハグの長さ。断定されない関係性が材料となり、人々はそれぞれの意味を重ねる。投稿が投稿を呼び、解釈が積み重なる。その循環が持続する。これが「長くバズる」構造なのだ。

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