大学教員のトリセツ【基礎編】"華麗なる転身"は幻? 「2026年問題」と定員割れにあえぐ《大学業界》の残酷な現実
例えば、23年に電気自動車と自動運転に特化した日本初の専門職大学として開学した「電動モビリティシステム専門職大学」(山形県飯豊町)は、大幅な定員割れにより開学3年目にして入学者の募集を停止した。入学者は定員40人に対して、初年度は3人、2年目が2人、合計5人だけだった。
一方で、高等専門学校は国立高専を中心に、企業やその他組織から高い評価を受けている。5年一貫教育で基礎力と技術力を身につけ、若くして就職できるうえ、有名大学への編入実績も豊富である。就職と進学の両面に強いという、受験生にとってわかりやすい利点が高専人気を支えている。
これに対し、専門職大学は受験市場で“Fラン大学”と同列に扱われ、企業からも高専ほどの即戦力として期待されていない。掲げる分野が魅力的に見えても、卒業後の夢を語るだけで、進路やキャリアの具体的なイメージと実績が十分に示されなければ、受験生は志望校として選びにくい。学生が確保できなければ大学経営も安定しにくくなり、制度の持続性にも不安が残る。
女子大と同じ道を歩みかねない
専門職大学は「第2の女子大」になるのではないか。女子大は、少子化に加え、共学志向や総合大学志向の高まりの中で、他大学にはない強みや進路上のメリットを打ち出せなかった。その結果、志願者減少と共学化・募集停止を強いられている。
専門職大学もまた、高専のような独自性や明確な進路を示せておらず、受験生にとっては魅力が欠けているどころか、見えにくい存在になっている。
実務家教員が注目され始めたことから、その研究・教育を目的とする研究科・専攻がいくつかの大学院に開設されている。しかし、厳しい採用環境を鑑みれば、そこを出たからといって必ずしも専任教員になれるわけではない。
(【応用編】に続く)
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