もっとも、この変化は大企業だけの物語ではありません。視点を変えれば、そこには「地方創生のヒント」も見えてきます。
世界全域や全国規模で戦うのではなく、対象を特定の地域に限定すれば、資金力が潤沢ではない企業でも独自の競争力を持つプラットフォームを構築する余地があります。
そしてこの発想は、地方自治体にも当てはまります。
自治体が自ら設計「地域版プラットフォーム」の可能性
私が住む静岡県熱海市、法人を置く神奈川県湯河原町は、いずれも主要産業の1つが宿泊業です。例えば地域限定のOTA(オンライン旅行代理店)を自治体が構築・運営すれば、地域の宿泊事業者の利益改善(ひいては税収増)を図ることも可能です。
仮に手数料を無料、あるいは1%程度に設定できれば、宿泊業者の利益率は大きく改善する可能性があります(ちなみに既存のOTAへの支払いは10%以上になることも珍しくないといわれています)。
同様の発想は、アルバイトなどの「人材マッチング」や地域内で使える「決済プラットフォーム」にも応用できるでしょう。
もちろん、プラットフォームの運営には人手が必要です。しかしAIエージェントを活用して自治体業務を効率化し、その余力を振り向けることができれば、追加の人員採用を抑えながら運営することも不可能ではありません。
大きな利益を追求するモデルでなくとも、持続可能な仕組みを設計することはできるはずです。
こうした取り組みが各地に広がれば、既存プラットフォーマーも利用料の引き下げを迫られるでしょう。その結果、これまで独自性が高いと評価されてきたビジネスモデルも、徐々にコモディティー化していく可能性があります。
「AIディスラプション」は厄介な現象ではありますが、同時に「創造的破壊」として新たな産業や選択肢を生み出す契機にもなります。
規制に頼って守ろうとする業界もあれば、自らを変革しようとする企業もあるでしょう。
雇用される立場から見れば不安も少なくないかもしれません。しかし利用者の立場に立てば、競争が活発化することは必ずしも悪いことばかりではないはずです。
難しさも伴いますが、同時に「興味深い時代の入り口」に立っているとも言えるでしょう。
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