中曽根内閣では「スパイ防止法案」が廃案の過去も…日本が"スパイ天国"から脱するための4つの手順
2013年には「特定秘密保護法」が制定され、特に重要な秘密(防衛、外交、スパイ活動防止、テロ防止に関する情報)を漏らした場合、最高で10年の懲役が科されるようになりました。
しかし、これらの法律は「内部の人間が秘密を漏らすこと」を処罰するものです。「外部の人間(外国のスパイ)が秘密を盗むこと」を直接処罰する法律ではありません。つまり、外国のスパイが日本で情報収集活動をしても、それ自体は犯罪ではないのです。
実際に秘密を入手して国外に持ち出した場合でも、立証が困難で、重い刑罰を科すことができません。
2つ目の理由が、日本にはスパイ活動を専門的に取り締まる強力な組織がないことです。
アメリカにはFBI(連邦捜査局)とCIA(中央情報局)があります。FBIは国内での防諜を担当し、アメリカ国内で活動する外国スパイを監視・逮捕します。CIAは海外での情報収集を担当し、外国でスパイ(情報源)を獲得・運用しますが、逮捕権はありません。
イギリスにはMI5(国内の防諜)とMI6(海外の諜報)があり、同様の役割分担をしています。
これらの組織は、大きな権限と予算を持ち、スパイ活動を積極的に摘発しています。
「人員」も「予算」も限られている日本の防諜活動
日本では、公安調査庁と警察庁の公安部が防諜活動を担当していますが、人員も予算も限られています。公安調査庁の職員は約1500人です。
これに対し、アメリカのFBIは特別捜査官だけで約1万3600人、全職員を合わせると約3万7000人を擁し、年間予算は約1.7兆円に達します。海外情報を担当するCIAも推定約2万人の職員を抱えています。規模の違いは歴然です。
日本の場合、権限も限定的です。日本の通信傍受法では、盗聴できる犯罪が限定されており、スパイ活動はそもそも対象に含まれていません。
盗聴を行うには、裁判官の令状を取得し、通信会社の立ち会いのもとで実施しなければなりません。「他の方法では犯人を特定できない」という厳しい条件も必要です。
さらに、公安調査庁には逮捕権がありません。怪しいスパイを見つけても、自ら逮捕することはできず、警察に任せるしかないのです。



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら