中曽根内閣では「スパイ防止法案」が廃案の過去も…日本が"スパイ天国"から脱するための4つの手順
日本人社員は、計70万円ほどのお金を受け取っていました。このロシア人はSVR(対外情報庁)という情報機関のメンバーで、軍事転用できる技術を狙っていたとみられています。
それだけではありません。2020年には、大手通信会社ソフトバンクの元社員が、5G(第5世代移動通信システム)に関する機密情報を、駐日ロシア通商代表部の職員に渡していたとして逮捕されました。
ロシア側は数年前から飲食店での接待などで関係を構築し、情報の見返りに現金を渡していました。まさに映画のようなスパイ工作です。
2023年には、国の研究機関である産業技術総合研究所(産総研)の中国籍研究員が、先端技術に関する研究データを中国企業にメールで送っていたとして逮捕されました。国の公的研究機関から中国への技術漏洩が立件された初めてのケースです。2025年に有罪判決が下されました。
同じく2023年には、東京都内で中国の「海外秘密警察署」と疑われる施設が摘発されました。中国は世界各国に100カ所以上の「海外警察拠点」を持ち、海外在住の中国人を監視していると指摘されています。
サイバー空間でのスパイ活動も深刻です。2020年には、防衛省・自衛隊の機密ネットワークに中国が長期間にわたって侵入していたことが、アメリカの情報機関によって発見されました。三菱電機やJAXA(宇宙航空研究開発機構)なども、サイバー攻撃による情報窃取の被害を受けています。
日本が「スパイ天国」と呼ばれる理由
これらは氷山の一角に過ぎません。日本にはスパイ活動そのものを取り締まる「スパイ防止法」がないため、多くの場合、不正競争防止法違反など別の容疑でしか対処できないのが現状です。
日本が「スパイ天国」と呼ばれる理由は、主に3つあります。
最大の理由は、日本には「スパイ防止法」がないことです。正確に言えば、スパイ行為を包括的に取り締まる法律がないのです。
多くの国では、スパイ行為は重罪とされています。アメリカでは最高で死刑、イギリスでは最高で終身刑です。しかし、日本では、スパイ行為そのものを処罰する法律がありません。
もちろん、個別の法律はあります。「国家公務員法」では、公務員が秘密を漏らすことを禁じています。「自衛隊法」でも、防衛秘密の漏洩を禁じています。



















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